知恵の和ノート
経営者は投資家の視点でお金を使う(第5話)
投資金額と回収金額および回収時期をワンセットでお金を使う
今日本では消費税に関する話題が盛んに取り上げられていますが、数年前まで国会でも論議の的になっていたのが年金の問題です。
私も何回か職場が変わったのでちょっと心配でしたが、「ねんきん定期便」を見る限りどうやら消えた年金の対象ではなさそうです。
さて、先月届いた「ねんきん定期便」には、「老齢年金の見込額(1年間の受取見込額)」「これまでの保険料納付額」の数字が書かれていました。
そして、老齢年金の見込額の注意書きには「老齢年金の見込額は、現在の条件で60歳まで加入したと仮定して計算しています。」とあります。
現時点では年金を受けられる年齢は65歳。
また、毎月口座振替で払っている国民年金の納付額はすぐに分かるので、「保険料納付額の総合計=これまでの保険料納付額+今後の保険料納付額」はすぐに計算できます。
この場合、「保険料納付額の総合計÷1年間の年金受取額」の数字を出すと、「何年長生きすれば年金の元がとれるのか」が分かります。
ちなみに、私の場合
保険料納付額の総合計:約1,200万円
1年間の年金受取額:約150万円
なので、
1,200万円÷150万円=8
となり、
65+8=73歳
まで長生きすれば払った年金の元がとれるという計算になりました。
お恥ずかしい話、自分自身は国民年金については、「年を取ったら毎年いくらもらえるか」を知りませんでした。
今回たまたま「ねんきん特別便」が来たので、「1年間の受取見込額」が分かり、「何年間で払ったお金がペイできるのか」が計算できた次第です。
国民年金の場合は、「あまり魅力がないなあ」と思っても、納付をしない訳にもいかないので、今さらどうしようもありません。
しかし、会社のお金を使う場合はそういう訳にいきません。
- いくらお金を投資するのか
- いつからいくらお金が回収できるのか
を把握してからお金を使うという習慣が大事です。
もちろん、
- いくらお金を投資するのか
は会社でコントロールできますが、
- いつからお金が回収できるのか
- いくらお金が回収できるのか
について100%会社でコントロールすることはできません。
しかしながら、何も考えないでお金を使うのと最初に予想を立てた上でお金を使うのとでは、中長期的に見た場合、大きな差が出ます。
予想を立てた上でお金を使う場合は、仮に予想通りにお金が回収できない状況に陥っても、その結果を次にお金を使う時の教訓として活かすことができます。一方、何も考えないでお金を使う場合は、たまたまそのプロジェクトが上手くいって大きく儲かったとしても、再現性がないため次につながらないのです。
会社でお金を使う際には、原材料費のようにすぐに売上に結びつくものもあれば、人材教育のようにすぐには売上に直結しないが、お金をケチっていると、ボディーブローのように効いてくるものもあります。
このため、会社の状況によって、
- 短期に回収できるものに投資すべき時期
- 将来に向けて先行投資した方がいい時期
など様々ですが、ポイントは、経営者がお金を使う際に回収金額と回収時期を常に意識しているかどうかという点です。
「いくらお金を投資するのか」と「いつからいくらお金が回収できるのか」は常にワンセットです。
今回、老後の生活費として国民年金はあまりあてにできないことがはっきりしましたので、今の仕事に全力投球します(苦笑)。
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