知恵の和ノート
決算書だけでは分からないもの(第2話)
全リソースの棚卸しが成長の出発点
会社の良し悪しを見る際によく使われるのが決算書です。
売上はいくらぐらいあるのか。
どのくらい利益が出ているのか。
土地や建物を持っているのか。
借入金は多くないか。・・・・・
決算書を見ると、たいていのことが分かります。
銀行がお金を貸すのか、貸さないのかを判断する際にも、決算書の比重が8割を占めると言われています。
決算書はいわば会社の通知簿。当然のことながら、成績が良いにこしたことはありません。
一方で、「学校の成績だけで人間の評価が決まる訳ではない」のと同じく、「決算書の良し悪しだけで会社の評価が決まる訳ではない」のも事実です。
例えば、
- 他社にはマネできない技術のノウハウが蓄積されている
- 納期は必ず守るので取引先からの信頼が厚い
- 社員がいつも笑顔で元気よく働いている
といったようなことは、決算書には反映されません。
しかし、他者から見ると、
「あの技術はスゴイんだよね!」
「安心して発注できるので、長くお付き合いできる」
「あそこの社員さんは感じいいね!」
という評価につながっています。
決算書に基づく評価は数字という客観的な指標で示されるので、経営者もだいたいは分かっています。
一方で、
- 会社が持っているノウハウ
- ずっと続けている慣習
- 社員の高い対応力
といったものは、定性的なものが中心であるため、経営者自身もそれが評価されていることに気づいていないことがあります。
ましてや、社内ではそれが当たり前になっているため、社外から見ればスゴイことが社内では見過ごされていることが多いのです。
会社が成長していくためには、すべてのリソースを活用する必要があります。
そのリソースには現金や不動産といった目に見えるものだけではなく、ノウハウや営業ネットワークといった表面的には出てこないものも含みます。
このため、成長支援部でまず実行することをお奨めしているのが、会社が使える全リソースの洗い出しです。
ヒト、モノ、カネ、情報の4種類の観点から、自社が持っているものをすべて棚卸しするのです。
人間は目の前にある自分の鼻は自分では見えていません。
脳科学に詳しい人の話によると、「なぜなら、無意識のうちに脳の中で鼻を消しているから」だそうです。このため、人が自分の鼻の形を知るには、鏡に映しだしたり、写真に撮ったりする必要があります。
同じように、見えているようで見えていないリソースを、文字で表現することで新たな発見があるのです。
会社が使える全リソースの洗い出し。ぜひ、紙とペンを使って実行して下さい。
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