ミセルチカラの磨き方
月次決算を経営判断に活かすために心掛けたいこと
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
ということをクライアントさんにはお伝えしています。
日々の活動で大事なのは、昨日の結果を踏まえて今日はどう行動するか。
前月の数字が翌月末に固まっても行動の改善に活かせないからです。
ただ、まじめな方は「どうしても正確性を重視しがち」です。
もちろん、最終的に決算を締めるにあたっては支払うべき税金を計算することもあり、きちんと正確な数字を出すことが求められます。
一方で、毎月の試算表では
・8割方数字はあっている
・経営判断を行うにあたって大きな支障はない
なら、
・早めに数字を固める
・修正は翌月に調整する
ことで充分です。
その際、一つ気をつけたいのが「修正する際は過去の数字を変えない」ことです。
試算表では
前月末までの実績+今月の実績=今月末までの実績
という形式になっています。
スピードを重視した場合、「本来前月の実績として計上しなければならなかった数字が入っていなかった」ということが起こります。
例えば
6月分の支払として計上すべき100,000円の費用が6月の試算表では漏れていた
とします。
この場合、損益的には
▲100,000円
となります。
ただし、これぐらいの数字は大勢に影響がないということであれば、7月の試算表をつくる際に「遡って6月の数字を修正する」のではなく、「7月に前月計上漏れの費用として計上する」ことをお勧めしています。
つまり、「過去の数字はいったん確定したものとしていじらない」のを原則とするです。
過去の数字を修正すると「今月の経営判断に使った6月末までの累計金額と、来月の経営判断に使う7月月初の数字が違う」という不連続性が発生します。
この場合、後になってより細かく検証する際、余計な混乱を招き、手間がかかります。
少なくとも、「現預金の残高」は目に見えるものなので、ケアレスミスがあるか、数字を誤魔かす意図がない限り
前月末の現預金の残高=今月初めの現預金の残高
です。
一方で売掛金の回収や仕入代金の掛けでの支払などは帳簿上の数字なので、直接は目に見えません。
このため、しばく時間が経ってから「6月末の数字と7月初めの数字が違うのはなぜ?」となると、その原因を調べるにかなり時間がかかったりします。
月次決算でスピード重視しても、過去の数字を遡って修正すると、かえって余計な時間がかかります。
結論としてスピード重視の月次決算においては
- 現預金の数字は必ず正しい数字を計上する
- その他の数字は8割方あっていて経営判断に影響が出ないなら誤差は無視する
- 前月の数字を修正する際は過去の数字を遡って修正するのではなく、今月の中で修正計上し、毎月の試算表の数字の連続性を維持する
を心掛けましょう。
★関連する記事は
↓ ↓ ↓
「月次決算をやってることで満足するのは半人前の経営者、日次で数字をつかみ、指示を出せるのが一人前の経営者」です。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。