ミセルチカラの磨き方
「合わせる努力」が失敗を招く? 見落としがちなビジネスの落とし穴
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
なんだか急に真冬の寒さになりました。
みなさま体調を崩さないように、くれぐれもご注意ください。
さて、以前目にした興味深い研究結果があります。
東京大学の研究チームが発表したものなのですが、これが実におもしろい。
「合奏でテンポが速くなりやすい原因は、緊張などの心理的要因ではなく、メンバー同士がお互いに『合わせよう』と努力し過ぎることにある。」
なんと、1人で演奏するときよりも、平均で約7%もテンポが速くなるそうです。
音楽の世界では、テンポが速くなってしまう現象を「走る」と表現しますが、皮肉なことに、「合わせよう」とし過ぎる努力が余計に「走る」を引き起こしているのです。
音楽をやったことがある人なら、こんな言葉を耳にしたことがあるでしょう。
「お互いの音をよく聞いて!」
「もっと合わせる意識を持って!」
真剣に「合わせる努力」を求められるのが一般的です。
しかし、研究チームはこう結論づけていました。
「意図的に『合わせる箇所』を絞ることで、テンポの乱れ(走る)を防げるかもしれない。」
これ、ビジネスの世界にも通じる話だと思いませんか?
ビジネスでも、トレンドや他人のやり方に「合わせよう」とする場面が多々あります。
例えばこんなことを耳にしたことがあるのでは?
「メールマガジンなんて古い、今はLINE公式アカウントが主流!」
「Instagramのリールは毎日更新が基本!アルゴリズム重視で!」
「これからはコミュニティ運営が重要!独自のオンラインサロンを作ろう!」
「ライブ配信はマスト!フォロワーとのリアルタイム交流が鍵!」
「生成AIを使ったコンテンツがこれからのスタンダード!」
確かにこれらの方法が成功するケースもあります。
でも、それに追いつこうと無理をして「走る」状態になっていないでしょうか?
走るテンポの速さで努力をしても、伝えたいことや表現したいものがぼやけてしまう。まさに音楽で「走る」ときのように、成果が出にくくなってしまうのです。
音楽にもビジネスにも「自分のテンポ」があります。
音楽、特に私の場合は歌ですが、他の人と調和して美しい音楽を作るには、まず自分が自分の歌をしっかり歌えることが前提です。
正確な音程だけでなく、どのフレーズをどんな感情で歌いたいのか、自分の意図を理解し、確信を持って歌うことが大切なんです。
その上でお互いがしっかり自分の音楽を奏でられる状態であれば、「合わせよう」という努力をしなくても、自然に調和します。むしろ、必要な箇所にだけ集中すれば、聴き手にとっても心地よい音楽が生まれるのです。
ビジネスも同じです。
「自分がどうしたいのか」「どんな気持ちでやりたいのか」を明確にすることで、必要以上に周囲に合わせる必要がなくなります。必要なことにだけ集中すればいいのです。
私たちはつい周囲のやり方やトレンドに振り回されがちです。でも、自分のテンポが分かったとき、ビジネスは本来の力を発揮して自然と調和を生むはずです。
「合わせる」ことばかりに気を取られず、自分のテンポを見つけてみませんか?
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