ミセルチカラの磨き方
読解力の低下はビジネスにも大きく影響する恐れあり
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
11年ぶりに“大人の学力”を問う国際調査、「PIAAC=国際成人力調査」が行われたそう。欧米先進国を中心としたOECD=経済協力開発機構31カ国・地域の16歳から65歳までの16万人が参加して行われるもので、日本は引き続き、世界トップレベルであることが分かりました。
調査結果によると、日本は前回1位だった「読解力」と「数的思考力」では、どちらもフィンランドに抜かれて2位に。「問題解決能力」ではフィンランドと並んで1位。
全体的にはどの年齢層でも世界トップレベルであったそうですが、私が「おやっ?」と思ったことがあります。
「読解力」では、特に45歳から54歳の中年層の成績が低下していたということ。
なぜ「おやっ?」なのかと言えば、この問題、ビジネスに大いに関係してくると思ったからです。
「読解力」と言うからには書いてある字面だけを追うだけのことではないし、正確に内容を把握したり、自分なりに読み取ることが求められると思います。「自分なりに読み取る」というところにおいては、自分の常識、自分の思い込み、自分の考え方の癖が全面的に「捉え方」として反映されるところです。
目で見て読めるものがないとき、つまり、耳で聞くだけのときを考えても同じこと。ビジネスシーンであれば、「読む」より「聞く」の方が断然に多いはずですし、単なる「傾聴力」では片づけられないものです。
ビジネスで考えれば、「読解力」は「相手の問題を的確に把握する力」であり、「相手の本当のニーズを捉える力」と言い換えられますが、それだけでは不十分。「相手から深い話を聞きだす力」であり、「自分の基準で決めつけない力」でもあると思います。
特に「自分の基準で決めつけない」というところではこの「基準」が曲者です。長年の経験から培われたものを「基準」とするなら、勤めていた、もしくは今も務めている会社の標準が「基準」です。
意識もしないまま沁みついています。それがちょうど「45歳から54歳の中年層」今回の調査で「読解力の低下」が現れた年代です。
- お客様の話を浅い理解で終わらせることは字面をなぞるだけと同じ。
- どんな人に対してもワンパターンしか言えないことは語彙力が無いのと同じ。
- 「お客様はこうにちがいない」と思い込むのは解釈力がないのと同じ
- お客様の本当に解決したいことを見いだせないのは要約力が無いのと同じ。
これらの何が問題なのかと言うと、違う捉え方や、新しい発想ができないということ。
無理矢理にお客様を自分の「当たり前基準」や自分の「定型」に当てはめるということが起こりかねません。
調査では大学で専攻した内容と就職後に仕事で求められるスキルとのギャップが問題とされていて、調査を分析した文科省によれば「これからは社会人になってからのリスキリング=学び直しが求められる」とのこと。
う~ん。
これって知識やスキルだけで解決すること?
「数的思考力」「問題解決能力」は頭で考えることだけれど、「読解力」には頭で考えるだけでは分からないこともあるんじゃないか…。
そう…、感じることを忘れちゃいけない!
この週末は一段と寒さを「感じる」ようですが、まずは、今日も1日お元気で!
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