ミセルチカラの磨き方
自分の感情に素直になって口にすることは大人になると難しくなる
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
ここのところの暑さを何と言えばいいのでしょうか…。
年々夏の暑さが厳しくなっているような気がします。
「暑い!暑い!」と口にしているんじゃないでしょうか。
数日前のこと。定期コールではない時間に母からの電話です。
何かあったのかと心配しながら電話に出てみると、母の落ち込んだ涙声がします。
「どうしたの?何か悲しいことあった?」
「…あのね…あのね…泣」
このやりとりを何度も繰り返して今母が直面している状況を想像するしかありません。
ただ、言いたいことをスムーズに言葉に出せない母です。それでも泣きながら何かを伝えようとしています。伝わらないもどかしさも手伝って、泣きじゃくっています。
そして、ようやく分かったこと。
母にとてもやさしく接してくださっていたスタッフの方がその日で退職する…らしい…たぶん。
そのスタッフの彼が母にお別れを言いに来てくださった直後、悲しくて、ショックを受けた母が私に電話をしてきたようです。
スタッフの方がお辞めになることで、こんなに泣いて泣いて電話をしてきたのは初めてのこと。
それだけ彼は母によくしてくださっていたということなのだと思います。
母が指を怪我した時、彼が病院に連れて行ってくれたことも母はしっかり覚えていて言うんです。
幸い私もよく知っている彼でしたし、母の思いをお伝えすることもお礼を言うこともできたのですが、私はこのピュアな少女のような母に感動していました。
言葉が不自由な母は、泣いたり笑ったりすることで気持ちを伝えてくれます。素直に真っ直ぐにです。
それだけでもすごいことだと思いますが、「ありがとうを伝えて欲しい」ということをこんなに一生懸命に願うことがあるでしょうか?
「感声」という言葉があります。
感嘆の声、感動して出す声のことなのですが、子供の頃にはできたことが大人になるにつれて感情を素直に口にすることが難しくなる人もいます。
本来、人はいろいろなことを感じています。
感じていない人なんていないはずですが、感じることをすっ飛ばして考えることに終始します。感じることと考えることの区別がなくなることもありますし。
だからこそ、自分の感情や思考の癖に向き合う必要があるんです。
日常生活に介助が必要な母は、その都度ごとスタッフの方に「ありがとう」と言います。
娘の私にさえ「ありがとう」を忘れませんから、母は毎日「ありがとう」をどれだけ口にしていることか。
自分の感情に素直であることの大切さは母を見ていると本当に思います。声にするのは「暑い!暑い!」だけじゃダメです。
では、今日も1日お元気で。
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「感謝」を「ありがたい恵みに対するお礼」ではなく、もっと広く「自分にとって大切なものへの思い」とするなら、「ありがとう」以外の言葉でも「感謝する」ことはできます。
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