ミセルチカラの磨き方
「利益の出し方」が分かっても稼げない会社に足りない「次の一手」とは?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「利益の見える化」の次に取り組むべきは「仕事の見える化」
会社として「どれくらい利益を出したいのか」が明確になったとき、次に経営者が取り組むべきは、その利益をどうやって実現するのかを具体的に設計することです。つまり「利益の見える化」に続くステップとして、「仕事の見える化」が不可欠になります。
「利益の見える化」では、以下のように粗利の計算を行います。
商品の単価:500,000円
商品の原価:300,000円
粗利:200,000円
この商品を月に50個販売できれば、粗利1,000万円を達成できるという計算が立ちます。
利益の見える化だけでは、ただの絵空事
ここまでは比較的簡単に電卓で算出できます。しかし問題は「この粗利をどうやって実現するか」。
商品が勝手に売れていくわけではありません。そこには必ずプロセスがあります。
たとえば、
- 見込み客を集める
- 見込み客を教育する
- 見込み客と契約する
という流れが必要です。そして、売って終わりではありません。中長期的に利益を確保しようとすれば、
- お客様をファンにする
- 新たな商品を作る
という仕組みづくりも欠かせません。
利益を出すために必要な仕事
これらを踏まえると、「利益を出すために必要な仕事」は、次の5つに集約できます。
【仕事の見える化】でチェックすべき5項目
- 見込み客を集める
- 見込み客を教育する
- 見込み客と契約する
- お客様をファンにする
- 新たな商品を作る
この5つの項目は、いわば「利益を生み出すための仕事の全体像」です。
もちろん、会社の中には営業、製造、企画、管理などの業務部門が存在し、それぞれ役割が異なります。しかし、それらはあくまで社内の役割分担に過ぎません。利益の源泉はあくまで社外、つまりお客様にあります。
ですから、「営業部がやっている仕事」ではなく、「お客様が商品を購入するまで、そしてファンになってもらうまでに必要な仕事」が何かを見える化して、実践することが、会社全体の利益構造を強くする鍵になります。
「見える化」できていない仕事は、会社の資産にならない
よくあるのが、これらの業務が属人的なスキルや経験に依存していて、仕組みとして会社に蓄積されていないケースです。
特にオーナー企業に多く見られるのが、
- 経営者の頭の中にはやるべきことが入っている
- 社員はその場その場で指示を受けて動いている
という状態です。
このような場合、経営者が出張や休暇で不在になると仕事が滞ったり、売上が落ちたりします。なぜなら、「どうやって利益を生み出すか」が社内で共有されておらず、プロセスとして見える化されていないからです。
仕事のやり方は変わる、だからこそ「今」の仕事を見える化する
仕事のやり方は、時代や市場の変化によってどんどん変わっていきます。新しいツールやAIの登場、顧客ニーズの変化などによって、昨日までの正解が今日の不正解になることも珍しくありません。
だからこそ、「一度決めたら終わり」ではなく、今この瞬間に会社が行っている仕事を定期的に見直し、アップデートしていく仕組みが必要です。そしてそれを、経営者一人の頭の中に留めるのではなく、会社全体で共有できる形で「見える化」することが重要です。
「利益の見える化」で、目標とする数値がはっきりしたら、次は「仕事の見える化」でその目標をどう実現するかを言語化・仕組み化していくこと。これが、属人的な経営から脱却し、持続的に利益を生み出し続ける組織への第一歩です。
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