ミセルチカラの磨き方
経営者に向いていない人はいない
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「自分は経営者に向いていないかも」
経営者とお話していると、たまにポロッとおっしゃることがあります。
業績が伸び悩んでいる時、「自分は悪くない、悪いのは景気のせいだ」と他者に責任を転嫁される方がおられる一方、「もしかしたら、自分が悪いのかも」と自責の念にかられる方もおられます。
業績が悪いのは景気のせいにしている経営者より、自分に責任があると捉えている経営者の方が会社を立て直す確率は高いです。
しかしながら、あまりにも自責に傾いてしまうと
経営に関する自信がなくなる
↓
思考が止まってしまう
↓
行動が止まってしまう
ので、気をつけましょう。
私の基本的な考えは「経営者に向いていない人はいない」です。
もちろん、
・一人社長である経営者
・社員数が1万人を超える会社の経営者
では普段やる仕事や求められる資質は違います。
また
・アパレル関連の会社の経営者
・不動産会社の経営者
など、業種や業態が変わると、経営の勘所も変わってきます。
つまり、会社の規模や業種によって同じ経営者と言っても向き不向きがあるのは事実。
そして、「自分は経営者に向いていないかも」という思考に陥っている時は、「他の経営者と比較して、自分ができていないことに焦点があたっている」ケースがほとんどです。
言い換えると
自分が力を発揮できる形で経営できていない
↓
経営の課題をなかなか解決できない
↓
自分は経営者に向いていないと感じる
という流れになっています。
世の中には自分よりも業績が良い経営者はたくさんいます。また、ビジネス系の書籍を読むと「経営者はこうあるべきだ」ということで、営業から財務、人事に至るまで、すべての面で秀でていることを求められるように感じます。
しかしながら、成功者として崇められている経営者にも裏の側面はあり、社内の人は知っていても、世の中の大半の人は知らない(知らされていない)ということもあります。また、あらゆる面でスーパーマン的に見える経営者も苦手な分野はあって、それを部下が上手く補っていることでバランスが取れていることも少なくありません。
それゆえ、「自分は経営者に向いていないかも」と先方がおっしゃった際は、私は「えっ、そうですか?」と切り返して「でも、社長は●●じゃないですか」という事実をお伝えするようにしています。
●●の部分は
・営業が得意
・取引先からの信頼が厚い
・社員からも一目おかれている
など、それまでの打合せの中で、
・経営者が直接口に出してお話しされたこと
・取引先から普段言われていること
・社員との面談で出てきた内容
だったりします。
経営者が考えるべきは「自分は経営者に向いているかどうか」ではなく、「自分がやりたい経営はどういうものなのか」です。
使えるお金が限られている時など、苦手な資金繰り表を毎月自分で作らざるを得ないということもあります。また、社員がなかなか指示通りに動いてくれないので、余計なストレスが溜まってイラつくかもしれません。
このような時
・自分は財務が苦手なので経営者に向いていない→この仕事をプロに任せるにはいくら稼げば良いか
・自分は人の育成が下手なので経営者に向いていない→アルバイトが入ってすぐに働けるようにするにはどのような仕組みにしたら良いか
というように発想を転換できるかがポイント。
繰り返しになりますが、経営者に向いていない人はいません。
少なくとも、いったん経営者になった人は経営者に向いていないのではなく、
- 自分のやりたい経営に沿って行動できている
- 自分のやりたい経営に沿って行動できていない
に分かれているだけです。
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