ミセルチカラの磨き方
採用か業務委託か?決める前に押さえるべき仕事の本質
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「社員を採用した方が良いのか、外部の会社に頼んだ方が良いのか」
時々ご相談される内容の一つです。
その際、私から質問させていただくのは
「やって欲しい仕事の内容は明確になっていますか?」
社員を雇うのか、業務委託先にお願いするのかは「やり方」の問題です。
それよりも、会社としてまずハッキリさせなければならないのは
- どのような仕事で人手が足りないのか
- その仕事で会社が最低限クリアしたい基準はあるのか
- その基準をクリアできたら、どれくらいの収益改善が見込めるのか
です。
中小企業では人数が少ないこともあり、仕事が属人的になっています。
このため、例えば、「見積書を作る」人が足りないという場合でも
・社長と部長では見積書の作り方が違う
・見積書を作成する際に確保すべき粗利の基準が曖昧である
ケースがあります。
このような場合、最終的に誰にどのような形でお願いするにせよ、一時的には混乱が生じます。
もちろん、仕事の中には資格や経験がないと、すぐに対応できないものもあります。このため、ある介護施設では、業務プロセスを細かく見直し、介護関連の資格がなくてもできる仕事を近所にお住まいのアルバイトの方にお願いすることで、全体としては仕事がスムーズに回る体制を構築されています。
このケースでは
仕事の流れを把握する
→資格がある仕事となくてもできる仕事を仕分けする
→仕事と仕事の繋ぎ目(引き継ぎ)で想定される問題点を抽出する
→その問題点をクリアするために、「誰が」「何を」「どこまで」やるかを決める
→介護の未経験者でもできる仕事に関してアルバイトを募集する
という手順を踏んでいます。
経験者を採用するにせよ、その人の過去の経験が会社の求めている仕事の内容にピタリとはまるとは限りません。
また、専門業者に依頼するにせよ、各専門業者も自社でこだわっている仕事の進め方があります。このため、ざっくりとした仕事の依頼の仕方の場合、「その道のプロに頼んだのに、なんだかいま一つだなぁ」となる恐れがあります。
したがって、社員を新たに雇うのか、社外に協力を仰ぐのかで悩む前に、まずは会社として求めている仕事の内容とレベルを決めることが先決。
そして、その内容とレベルに沿った仕事ができるなら、
・売上高を今より2割以上増やせる
・社員の残業代を半減できるので、毎月100万円は浮いてくる
といった業績面での効果を頭に入れつつ、
・人材紹介会社に依頼する
・採用の広告を出す
・(多少割高になるけれど)業務委託先に任せる
という方向性を決めていくことになります。
業種によっては、採用活動を行っても、理想とするような人材を確保するのが難しい状況が続いています。
しかしながら、ある仕事を全部丸投げするのではなく、前述の介護施設のように一部分だけ仕事を切り出すことができたら、仕事で空いている穴を埋める選択肢は広がります。
「やり方」で悩む前に、仕事の「あり方」を多角的に考えることで、問題解決の糸口は必ず見つかります。
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