ミセルチカラの磨き方
正しい実績の認識なくして計画なし、強い意思なくしてその計画の実現なし
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
財務情報の基本は
- 実績は客観的に出す
- 計画は主観的に出す
です。
例えば、
・9月の損益が100万円の赤字なら-100万円として計上する
・10月の損益計画の目標が200万円の黒字なら+200万円とする
です。
しかしながら、実際には
「赤字だと銀行から借入する際に指摘されるので、+10万円として計上する」
といったように実績を意図を持って捻じ曲げたり
「200万円の黒字を出すのは難しいけれど、前月は赤字だったから、挽回するならこの数字になる」
といったように達成する意思が感じられない計画だったりすることがあります。
実績を捻じ曲げると、その実績をベースに数字が積み上がっていくので、時間が経過すると途中で会社の真の実態が数字としてつかみづらくなります。
いわゆる粉飾決算ですが、これは見る人が見ればすぐに見抜かれます。
たまに「銀行からは何も言われていない」とおっしゃる経営者もおられます。
けれども、銀行員が「この会社は在庫を過剰に計上して無理くり黒字にしている」ことが分かっていても、
いま指摘しても、すぐに問題解消できるとは限らない
↓
貸出金を回収するためにもしばらく様子見する
という対応を取ることがあります。
つまり、指摘されてないからセーフとは言えないのです。
一方の計画。
理想は実現可能性の高い根拠のある計画です。
しかしながら、新しい取り組みのテストマーケティングをしている段階で根拠が乏しい計画を提出せざるを得ないケースもあります。
その際、
・単に辻褄合わせで綺麗な数字が並んでいる計画
・まだ根拠が乏しいけれど意欲を持って作った計画
で表面上は同じ数字が並んでいたとしても、ちょっと質問すると、その違いは一目瞭然です。
私もご依頼を受けて事業計画の数字を作ることがあります。
その際、数字的にきちんと説明ができる計画を作るのですが、経営者に対して「社長、その根拠は現時点ではまだ曖昧ですよね」と言わざるを得ないこともあります。
けれども、不思議なことに「大丈夫、俺は絶対にやるから」と経営者がおっしゃる会社の場合、その後
・計画を作成した時点では決まっていなかった新規契約が正式に決まった
・今までよりも利益率の高いプロジェクトの受注に成功した
といったことが起こり、結果的に当初の計画の数字を達成できたというケースが少なくありません。
つまり、
「絶対にやるんだ」という主体的な意思を持って立てた計画
と
「まぁ、できたらいいけど」という受け身の姿勢で立てた計画
では自ずと結果も変わってくるのです。
まとめると、財務の基本原則は
- 実績は客観的に出す
- 計画は主観的に出す
ですが、実際には、それぞれ逆のことをやっている会社が少なからずあるということです。
そして、
たとえ見たくない数字であっても、事実と真正面から向き合う
↓
「そこから抜け出して、目指している理想の姿に近づきたい」と心底思う
というプロセスを経ないことには改革は絶対に成功しません。
「正しい実績の認識なくして計画なし、強い意思なくしてその計画の実現なし」です。
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事業計画は下から作り、少しずつでも利益を見える化して目標に近づける
たとえ見たくなくても数字と向き合って、必要な利益の金額をつかみ、その利益を少しずつでも社内で見える化することで会社は成長します。
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