ミセルチカラの磨き方
経営者が社員に期待することと社員が会社に期待することのギャップを埋める
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週公開した動画「社員の自己成長を会社の成長につなげるシン・マネジメント手法」
何が「シン」なのかと言えば
- 会社が社員に対して何かを与えるやり方
ではなく
- 社員が会社に対して何ができるかを紐づけるやり方
であるという点です。
先日、ある上場企業の担当者と6月に行う研修について打ち合わせしました。その際、先方からご希望のあったのは「具体的なやり方を教えてほしい」ということ。
弊社もコンサルティングとして具体的にどうやったら良いかをお伝えすることはあります。
ただし、それは業務の内容やその目的、そして、実際にその業務をやる人を理解した上で、「自分だったらこうやります」という我々なりの正解をお伝えするものです。
しかしながら、前述の研修は職種も部署もやっている仕事の内容もバラバラな複数の社員の方を対象にしたもの。
一般論として「こうした方が良い」とお伝えできても、それがAさんにとっては正解であっても、Bさんにとっては正解とはならないことがあります。
それではせっかく研修をやらせていただく意味がないと思い、「どうしたものか」と別途担当者の上司の方と相談しました。
すると「最近の人たちはすぐに正解を欲しがるのです」とおっしゃっておられました。
そして、会社が今度の研修に期待しているのは
「具体的なやり方うんぬんではなく、まさに自分でセルフプロデュースができて会社の仕事に活かすきっかけとなることです」
と言っていただき、少しホッとしています。
会社の経営者が社員に期待することと社員が会社に対して期待することとの間には、どうしてもギャップがあります。今度研修をやらせていただく会社はさすがに上場企業だけあって、社員が働きやすい環境を作るためにいろいろな対策を既に打っておられます。
しかしながら、社員の価値観が多様化している中、いかに給与が良くて、福利厚生が充実していても社員が持っている漠然とした不安をすべて解消するのは不可能です。そして、どういうことに不安を感じ、どんなことに対して不満を抱くのかは一人ひとり違うので、営利企業である会社がそのような不安や不満を0にするのは非現実的です。
副業も広がる中、
「毎月50万円の給料を出すから、この仕事をやってほしい」
という等価値交換型の仕事は徐々に減り
「〇〇を目指して一緒に仕事をやりませんか」
という共同プロジェクト型の仕事が将来的には増えていくと私は予想しています。
共同プロジェクト型の仕事は片方が何かを相手に与え続けるだけでは成立しません。
成功のポイントとなるのは
- お互いに共感する目的に向かって進むためにその目的と自分の仕事を紐づける力
です。
その仕事は誰かが教えてくれるものではありません。また、「これをやればその目的に近づく」と取り組んだ仕事が実は正解ではなかったということがどうしても起こります。
過去のデータを基にそこから導き出される回答を出すのは今やAIの方が優秀です。データ量が膨大でも、どんなに遅い時間帯であっても、こちらが的確な質問を投げかけると、ある程度満足度の高い回答を文句も言わずに出してくれます。
しかしながら、AIの出した回答が会社にとって正解とは限りません。
また、同じようなデータを使うと似たような回答が出てくるので、たとえそれが正解であっても、差別化につながらず、経営資源がより大きい会社との競争に勝てない恐れもあります。
したがって、企業が将来に向けてさらに成長を続けていくには
- 共感できる価値観の提供
- その価値観と仕事を結びつける力の育成
の両方が求められています。
そして、後者の「会社の価値観と自分の仕事を結びつける力の育成」は社員が日々鍛錬を重ねる中で初めて実を結びます。
特に最近の若い人達は
・インターネットで検索するとすぐに情報が出てくる
・失敗したり、低く評価されたりするのを極端に嫌がる
ために、「具体的なやり方など、すぐに正解を求める」傾向が強くなっています。
前述の動画をご覧いただいて、「社員の個性を活かしつつ、社員の成長を会社の成長につなげていきたい」と思っていただけたら、一度お話しさせていただければ嬉しく思います。
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