ミセルチカラの磨き方
自己認識でツールや専門家に頼り過ぎるのはかえって危険
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
昨今は様々な自己診断ツールがあります。
私も「ストレングス・ファインダー」というツールを使って自己診断をやったことがあります。
いわゆる自分の強みを見つけるツールなのですが、私の強みとして出てきたのは次の5つでした。
(1)分析思考
(2)個別化
(3)慎重さ
(4)調和性
(5)規律性
この結果を見て、私が感じたのは「けっこう当たっているかも」でした。
また、私の血液型はAB型なのですが、AB型の人の特徴として言われる次のような項目はなんとなく当てはまっている気がします。
(1)クール
(2)自立心が強い
(3)干渉されるのは苦手
(4)誰にでも平等
(5)冷静に分析するのが得意
(6)二面性のある性格
(7)表向きは社交的
(8)執着しない
(9)おひとり様行動が好き
(10)芸術肌
昨今は血液型と人の性格や行動様式との関係に科学的な根拠はないと言われています。ただ、人は自分に当たっていると感じたら、その診断方法は正しいと信じるようになります。
それゆえ、血液型による診断は以前よりも減った気はしますが、星座や誕生日によって人の運勢を占ったり、お互いの相性を診断したりすることは盛んに行われています。
人は自分自身について、分かっているようで分かっていません。
このため、自分に対する理解を深めるために自分自身と真正面から向き合うよりは、何かツールを使って
・A型の自分
・魚座の自分
・3月15日生まれの自分
という形でラベルをつけて判断した方が分かりやすいという側面があります。
しかしながら、一橋大学大学院の楠木建教授がその著書「絶対悲観主義」の中で
「自己認識をツールや専門家に頼ると、わかったつもりの浅薄な自己認識で終わってしまいます。」
と書かれているように、診断結果を鵜呑みにするのは危険です。
複雑なものを理解する時に、分かりやすい切り口で分類して捉えることで一定の理解が進みます。けれども、そこで思考を止めてしまうと、テンプレート的な薄い理解で終わる可能性があります。
デジタルの世界は0と1から成り立つことで急速な進歩を遂げました。一方、現実の世界には0.5もあれば、1.1も存在します。
0.5も1.1も四捨五入すれば1であると考えて物事を進めるのはタイパという点で合理的かもしれません。しかしながら、「0.5は0でもなければ1でもない」ということを踏まえた上で物事を進めることで、多少時間はかかっても、他者とは違う新しい価値を生み出せる可能性があるのではないでしょうか。
なお、最後に前述の書籍の中で楠木教授が「自己認識」について書かれている内容をご紹介します。
「自分の経験と自分の頭で、自己認識を深めていく。日々の経験のすべてが自己認識の材料を提供しています。近道はないが、回り道もない。お客とのラリーの中で自己認識を深めていくプロセスが重要です。そこに仕事生活の核心があります。」
なお、弊社では自己認識を深めて仕事に活かすためのプログラムをご提供しています。
0でも1でもないご自身の姿を見つけて、日々の仕事に活かしていただければ嬉しく思います。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
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