ミセルチカラの磨き方
社員の意見を会社の資産にするか、退職の契機とするか
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
会議で自分の意見を述べた際、「それはおかしい」と反論されることがあります。
最終的に多数決で決議を取る場合でも、様々な意見を踏まえた上で結論を出すのがベターです。しかしながら、会社の会議においては往々にして最初から結論ありきで、形式的に議論が行われることが少なくありません。
その場合、想定されている結論に疑問を呈するような意見を言うと、「それはおかしい」と反論されます。特に経営者が決めてきた案件について異論を挟むと、「アイツは融通のきかない奴だ」と評価される恐れもあります。
本来、その人の考えや捉え方そのものは評価の対象にはなりません。
もし、それが評価の対象になるとすれば
- 経営理念がしっかりと定まっている
- 会社の評価基準として経営理念に沿った言動は高く評価するが、経営理念に反する言動は低く評価するいうルールがある
- そのルールが周知徹底されている
という条件が揃っている場合です。
例えば、「お客様のために最善を尽くす」という経営理念があった場合。
「客を泣かしてでも、とにかく売上を上げて来い」という上司の指示に対して、「それは経営理念に反するのでは?」と意見を述べる社員がいたら、本来、低い評価を受けるのは指示を出した上司です。
しかしながら、多くの場合、「上司の指示に素直に従わない」として、低い評価を受けるのは指示に異論を述べた社員です。
「社員からなかなか意見がでない」というご相談を受けて、会議にオブザーバーとして参加させていただくことがあります。
その際、よくあるのは社長など上司にあたる人が社員が意見を出した際に、「それはおかしい」「それは無理だ」「それはやらない」とすぐ否定することです。
また、自分の考え方や捉え方と違う意見を出した社員に対して、「アイツは何も分かっていない」「アイツには仕事を任せられない」「アイツは頭が固い」といった評価を下してしまうことです。
前述のように経営理念に沿った会社経営ができているのは、まだまだ少数派。
実際には、立派な経営理念があっても、社内で実権を握っていて、声の大きい人の意見がまかり通る会社の方が多いです。
しかしながら、少子化が進む中、声の大きい人の意見に皆が忖度してしまうような会社は、やがて優秀な働き手が見向きもしなくなります。
経営理念に基づいた評価基準がないなら、少なくとも「会議や打ち合わせの際に出た意見や考え方をベースにその社員を評価しない」ことを心掛けましょう。
特に昨今の若い人たちは、仮にこちら側にその意図はなくても
自分の意見が否定された
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自分自身が否定された
と受け取る傾向が強いです。
あと1ヵ月で新年度が始まり、新しい社員が入社される会社もあるかと思います。まだ会社の色に染まっていない人の意見や気づきは会社にとって大きな資産となります。
組織として守るべきは、経営理念など組織として合意されているルール。それに反しない限り、多様な意見や考え方を許容することで、会社も持続的に成長します。
なお、経営者の思いを反映した「オリジナルのひとこと」が見つかると、社員の行動もだんだん変わります。
★詳しくは「こちら」をご覧ください。
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