ミセルチカラの磨き方

2024/01/05

社員のモチベーションを上げるやり方は危険です

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

社員のモチベーションを上げるやり方は危険です
成長と自己成長。

自らの意思で努力して成長につなげることを「自己成長」と呼んでいますが、成長との大きな違いは「成長する意思があるかどうか」です。


昨今はリスキリングと盛んに言われていますが、会社の取り組みとしてリスキリングの制度を導入しても、「社員が成長する意思があるかどうか」によって、その効果も大きく変わります。

成長する意思がある社員は、たとえリスキリングに関する費用の一部を会社が補填する制度がなくても、「これからはITのスキルが必要になるから、プログラミングを勉強しよう」と考えて自己投資します。

一方、成長する意思のない社員は、仮に「費用は会社が全額負担するので、プログラミングを勉強してください」と奨励しても、「上司にも言われたから、面倒だけれどやるしかないかぁ」となります。


つまり、会社として社員の成長を促すために充実した制度を整えたとしても、社員が成長するかどうかはあくまで本人次第です。


新入社員にせよ、中途採用の人にせよ、誰しもが入社する際は「御社のために頑張ります!」と成長する意思を持っていたはずです。

しかしながら、入社してしばらくすると

・成長する意思を持ち続けている人

・成長する意思を持ち続けていない人

に分かれます。


これに関連して、「社員のモチベーションを上げるにはどうすれば良いか?」というご相談が時々あります。

その際、私がいつもお答えしているのが「モチベーションに依存する仕事は危険です」


なぜなら、モチベーションは必ずアップダウンがあるから。

「今日はモチベーションが低いから手を抜きました」という社員がいる会社は、お客様からの信頼を得られません。少なくとも、社員のモチベーションに左右されずに一定レベルの仕事を行う仕組みを会社として構築する必要があります。


一方で、成長する意思。

会社の組織風土や企業体質に問題があり、優秀な社員を採用しても、途中で「この会社にいても、自分は成長しないなぁ」と感じたり、「ここでは余計なことをやらない方が身のためだ」と考えたりする社員を生んでいる場合は、組織風土や企業体質そのものを変える必要があります。

しかしながら、最近では組織風土や企業体質に問題ないホワイト企業でも、「このままこの会社にいても、自分は成長できるのだろうか」と疑問に感じて、転職する人が増えています。


価値観が多様化して、「何を成長として捉えるのか」も一人ひとり違っているので、会社が考える社員の成長と社員が自ら考える成長との間にズレが生じているのです。

そして、この問題は人事制度を変えるだけではなかなか解決しないのがやっかいなところです。


そのような問題を解決する際、一つの解決策は各社員が「自分の意思を言葉として自覚する」ことです。

つまり、

「○○したい」「●●でありたい」という意思を言語化する
  ↓
その意思を踏まえた上で、会社の仕事と紐づけする
  ↓
仕事の捉え方を変えて、その仕事をやることが自分の成長につながることを実感する

という流れです。


○○や●●の部分は一人ひとり違います。このため、「この仕事はお客様の笑顔のためになる!」と社長がいくら力説しても、すべての社員が共感するとは限りません。

けれども、「この仕事に挑戦することで、将来はもっと海外旅行に行けるようになる」とイメージできたら、「仕事にメリハリをつけて、プライベートの生活をもっと充実させたい」と考えている社員なら腹落ちするかもしれません。


人手不足がすぐには解消しない中、社員の個性を活かしつつ、会社の業績を上げていくには

一律的な対応

・多面的な対応

の両方を兼ね備えることがますます求められます。


前者の一律的な対応の部分は前述の「社員のモチベーションとは関係なく仕事が回る仕組み」などがその代表です。一方で、後者の多面的な対応の部分は「社員の自己成長と会社の仕事をリンクさせる仕掛け」です。

モチベーションは会社が無理やり上げるものではありません。社員が自らの意思で自分の成長と会社の仕事をリンクできたら、モチベーションは自然と上がり、仕事のパフォーマンスも上がります。


会社として人事制度や福利厚生などを充実させているにも関わらず、「社員がその本領を発揮していないのでは?」と日頃感じておられたら、本来は持っている成長する意思を社員が仕事と上手く結びついていないかもしれません。


なお、社員のモチベーションを上げるのではなく、社員の自己成長と会社の仕事をリンクさせる仕掛けにご興味のある方は「こちら」からお問い合わせください。

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会社の状況をお伺いした上で、考えられる対応策を個別にご提案させていただきます。

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