ミセルチカラの磨き方

2023/12/29

お金と時間をかけるなら、部分最適ではなく全体最適を視野に入れる

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

お金と時間をかけるなら、部分最適ではなく全体最適を視野に入れる
先日ランチにある中華料理店に行きました。

カウンター席に座ったのですが、注文を取っているのは、アルバイトっぽい人。

最近はタッチパネルで注文を受けつけるお店も増えていますが、ここはどうやら店員さんが個別に注文を取るスタイルです。


食べたいものが決まって、いざ注文をしようとしましたが、お水も出てこない状況でアルバイトの人もアタフタしている感じ。

そこで、席に置いてあった呼び出しボタンを押しました。けれども、なかなか注文を取りに来てくれません。


周囲を見渡すと、食べ終わった食器類が片付けられていなかったり、席が空いているにも関わらず、入口付近でお客様が待っていたりと明らかに回転率が落ちているのが分かります。

また、厨房の中の人たちは料理を作るのに一生懸命でなかなか声をかけづらい状況。

このため、仕方なくしばらく待っていましたが、ベテラン店員さんが目の前を通った際、「注文いいですか」と声掛けしてようやく注文することができました。


その後、料理が出てくるまでの間、様子を見ていると、前述のアルバイトの方は慣れないせいなのか、かなり動きが鈍い。

さほど大きくもない店内の様子に気を配る余裕はなく、他の店員さんから「あのテーブルを片付けて」「あそこにお水出して」といちいち指示されて動いている感じです。

一方、私の注文を取ってくれた店員さんは「これじゃ、まずい!」と感じたのか、料理を作る合間を縫って、より積極的に自ら注文を取ったり、片付けしたりするようになりました。

そして、私の隣りに座った人が「五目ラーメンを」と注目したら、すかさず「単品でよろしいですか?」と聞いて、「じゃぁ、Aセットで」とアップセルで単価アップにも成功されていたのです。


飲食店に限らず、いろいろな業種業態で人手不足が言われています。このため、タッチパネルで注文を受けつけるなどシステムを導入して、その対策を打っている会社もあります。

前述のお店も某大手チェーンのお店なので、もしかすると、既に他の店舗ではタッチパネルを導入済みなのかもしれません。しかしながら、システムで対応することがすぐに難しい場合には、当面は人が対応せざるを得ません。

そして、その際「仕事のやり方やポイントをどう教えていくか」が大きな鍵を握っています。


その場合、仮に仕事のマニュアルが整備されていたとしても、すぐに理解できて対応できる人もいれば、理解して実践できるまでには時間がかかる人もいます。この点、教える側の人も目の前の仕事が忙しいと、じっくり教える時間がなかったり、自分は実践できても、それを人に伝えるのが苦手な人もいたりします。

ただ、前述のように

・注文をなかなか取りにきてくれない

・空席があるのに入店したお客様がすぐに席につけない

状況が続くと、当日の売上高にも影響するし、一度来店した人も「あそこは時間がかかりそうだから止めておこう」と感じて、将来の売上高にも影響を及ぼします。


政府も少子化対策にいろいろと手を打っていますが、すぐに人手不足が解消される訳ではありません。

そこで、会社に求められるのは

お金をかけてシステムに投資して省力化を図る

時間をかけて人材育成に投資してレベルアップを図る

かのいずれかまたは両方です。


その際、ポイントは部分最適ではなく全体最適

業務フローの一部だけを見直すのではなく、全体を見直す中で「売上高と利益の両方をさらに増やすにはどうすれば良いか」を検討する必要があります。


飲食店のケースで言えば、タッチパネル式の注文を導入することにより、人が注文を取るという仕事を減らすことができます。けれども、お客様が勝手に注文するので、「単品でよろしいですか?」と一言加えるようなアップセルはできなくなります。

このため、タッチパネルで表示される内容や使い勝手を工夫を凝らして、自然と単価アップにつながるような表示にすることが求められます。


人手不足は経営改革を行う大きなチャンスです。

「あと一人優秀な社員がいてくれたら助かるのに」と考えて思考を止めるのではなく、「もう一人社員が減っても、さらに利益が増やせるか」を考え抜くことで、新しいやり方も見つかります。


なお、全体最適を目指す業務改善をしたいとお考えであれば、お気軽に弊社にお問い合わせいただければと思います。
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今年1年、弊社のブログをお読みいただき、ありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いします。

それでは、良いお年をお迎えください。

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