ミセルチカラの磨き方
広報と財務の共通点は実績と解釈におけるバランス感覚にあり
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「失敗するプレスリリースに共通するのは『主張が強すぎる』ことだ」
元新聞記者で現在広報の専門家としてご活躍の方がSNSで投稿されていました。
この投稿を読んで私が感じたのは
「広報と財務は似ているかも?」
です。
広報活動の代表的なものがプレスリリース、財務活動の代表的なものが事業計画です。
どちらも「実績と計画」、言い換えれば
- 実績:事実
- 計画:解釈
の部分からなります。
実績の部分から言えば、
×:たくさん売れた
〇:10,000個以上売れた
です。
10,000個を多いと思う人もいれば、「えぅ、たった10,000個なの?」と感じる人もいます。
つまり、実績の部分を書く際には解釈はできるだけ排除し、客観的な事実を記載することがポイントになります。
実績で大切なのは共有すること。
10,000個という数字を共有することで次を読んでもらうことになります。
実績の部分で自己主張が強すぎると、かえって逆効果です。
一方で、計画の部分。ここは、プレスリリースであれ、事業計画であれ、誰に読んでもらうかによって書き方が変わります。
事業計画で言えば
・銀行から借入するために銀行員に読んでもらう
・出資を受けるために投資家に読んでもらう
のとでは、大きく違ってきます。
一般的な投資家はハイリターンを求めているので、「5年後には売上が10倍になります」といった事業計画でないと、興味を持ちません。
しかしながら、そのような事業計画を銀行に持っていくと、「もうちょっと、現実的な数字を出してください」と言われる可能性があります。
計画(解釈)の部分に求められるのは共感です。
相手が投資家であれば、多少実現が無理そうな計画であっても「それは面白い!」と共感してくれるかもしれません。
ただし、相手が銀行員の場合は、過去の実績をベースにした、より堅実な計画でないと、なかなか共感してくれません。
プレスリリースの場合も、会社の取り組み姿勢や商品の可能性に共感して「一度話を聞いてみたい」と思ってもらわなければ、取材につながりません。
このため、一人よがりで自己主張ばかりが目立つプレスリリースは敬遠されがちです。
それゆえ、プレスリリースを書くサポートをさせていただいている際、商品への熱い思いを語る社長さんに「社長、その思いはよく分かります。けれども、その件はプレスリリースには書かずに、取材された際にぜひお話しましょう」とお伝えすることがあります。
実績(事実)は客観的な視点から「共有」を意識する。
計画(解釈)は読み手の思いも頭に入れて「共感」を意識する。
広報と財務は一見すると、違う仕事に見えますが、バランス感覚を持って会社の価値を高め、持続的な成長につなげていくという点では同じです。
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