ミセルチカラの磨き方
お尻に火がついてからやるか、心に火がついてからやるか
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
解凍→混乱→再凍結
クルト・レヴィンという心理学者が「個人や組織の変化を実現する上での三段階」として使った言葉です。
組織開発などでお聞きになったことがあるかもしれませんね。
会社を大きく変革する際も
解凍:今やっていることを終わらせる
↓
混乱:新しい取り組みで問題が出る
↓
再凍結:新しいステージに上がる
という三段階があります。
人は本能的に変化を嫌うので、今のやり方や考え方を変える時には抵抗します。
例えば、今までは売上高を目標にしていたのに、これから利益を重視する方針に変える場合。
それまでのやり方を変える必要が出てくるので、社員の中には「どうして今さら変えるのか?」と反発する人が出てきます。
その際、オーナー社長だと「四の五の言わずに俺の言う通りやれ」で怒鳴って終わらせるかもしれません。けれども、改革をスムーズに進めたいなら、「なぜ、売上高から利益額に目標を変えるのか」をちゃんと説明する必要があります。
次に混乱。
最初の解凍の段階をクリアしても、実際にやってみると、いろいろな問題が出てきます。
その際、現場の声として出てくるのが「やっぱり前の方が良かった」
例えば、前述の売上高から利益重視に目標を変えると、「売上高が大きい割には採算が悪いお客様との取引をどうするか」といった課題にぶつかります。
この段階では、会社としては指示したから終わりではなく、きめ細やかなフォローアップを行わないと
現場の混乱が増す
↓
不満の声が増える
↓
業績が一時的悪くなる
↓
改革が途中で頓挫する
可能性があります。
人によって判断基準が異なるので、新しい目標を立てるだけでなく、「誰が、何を、どこまでやってもOKなのか」を決めて、社内で共有することが求められます。
よくあるのは、問題が起きた時に、後になって上司が「自分はそんなことまで指示していない」と責任を部下に押しつけてしまうこと。
途中ではしごを外すようなことがあると、社員は委縮してしまいます。すると、次に何か新しい取り組みを始める際にも、「どうせ混乱するから、しばらく様子を見よう」という態度に出るので、改革のスピードが鈍ります。
混乱期を乗り切って、ようやく再凍結になる訳ですが、
・業績もそれほど悪くない
・資金繰りも当面は心配ない
という状況で、「会社をさらに成長させるために、いまのやり方を見直して、混乱があっても新しい取り組みを始めよう」とする先は少数派です。
ただ、
・業績が悪化しつつある
・今月末の資金繰りも心配だ
という状況では、
精神的も時間的にも追い込まれる
↓
改革に向けた選択肢も少ない
↓
なかなか思うような成果が出ない
↓
精神的も時間的にも追い込まれる
という悪循環に陥ります。
何かを変えるには前述のように難しい側面もあります。このため、社長が自分の心に火をつけて「最後までやり切ろう」と思わない限り、改革は実現しません。
けれども、解凍や混乱における課題はある程度想定できるので、予め対策を立てることができます。
背水の陣より先手必勝。
同じ改革をやるなら、少なくともお尻に火が付いた状況で「これをやらないとヤバイ」と思いながら取り組むことに比べたらずっと楽です。
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