ミセルチカラの磨き方
転ばぬ先の杖ならぬ倒産せぬ先の資金繰り表
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「勘定」を整えるということを会社経営で考えると、「数字を整える」ことにつながります。
3月末が決算の会社では決算書の作成に向けて、決算に必要な数字を整えるために、GW期間中も数字と格闘されているかもしれませんね。
決算書の数字で言えば、最終的には「1円単位で数字を整える」ことになりす。
「数字を整えましょう」と言っている私自身、細かい数字を整えるのはあまり好きではありません。このため、弊社の月次決算の部分は創業以来17年間ずっと税理士事務所に任せっきりです。
一方で、自社で1円単位で数字を整えているのは「資金繰り表」です。
資金繰り表は基本
- 入金:足し算
- 出金:引き算
だけなので、数字としては必ず1円単位で合うはずです。
そして、私自身毎週資金繰り表の数字は1円単位でしっかり合わせています。このあたり、1円数字が合わないだけで、支店中のごみ箱や机の中などを全員で探し回って帰るのが遅くなった銀行員時代の習性が大きく影響しているかもしれません。
「現金その場かぎり」と教わったのですが、銀行の場合は銀行員の不正を防ぐという意味合いも大きかったように思います。
ただ、一般的な会社の場合は1円数字が合わないからといって、社内のごみ箱をひっくり返して探すということはないかと思います。
しかしながら、資金繰り表を作るのであれば「1円単位で数字を整える」ことをお勧めします。
なぜなら、資金繰りの場合、現金にせよ、預金にせよ、必ず正解があるからです。
月末の預金残高が1,000万円であれば、資金繰り表の数字として、ぴったり
月末の預金残高:1,000万円
とならなければ、何かが間違っています。
また、資金繰り表では
4月末の預金残高:1,000万円
↓
5月月初の預金残高:1,000万円
となります。
つまり、
過去の数字が間違っている
↓
未来の数字を間違った前提条件の下で算出する
↓
未来の数字も間違う
ことを意味します。
決算書の数字を整えるには
・勘定科目の理解
・仕訳に関する知識
などが必要になってくるため、会計ソフトを使うにしても、一定の経験が必要です。
一方の資金繰り表の場合は前述のように足し算と引き算さえできれば、1円単位で数字を整えることは難しいことではありません。
会社は赤字になっても倒産しませんが、資金繰りが回らなくなると、倒産します。それを避けるための羅針盤になるが資金繰り表。
もし、ざっくりとした形でしか資金繰りを把握していないということであれば、早めに1円単位で数字を整える資金繰り表を作りましょう。
最初は少し面倒くさいかもしれません。
けれども、やがて、毎月、毎週、毎日と資金繰り表の数字と実際の手元にある現預金残高の数字を照合していると、「1円合わないのはなんだか気持ち悪い」となってきます。
そのような状態になってくれば、頭の中で「今月は500万円ほど余裕がありそうだ」「来月末はこのままの調子だと、300万円ぐらい足りないかもしれない」といったように、将来の数字のイメージが浮かんでくるようになります。
なお、「資金繰り表を作りたいけれど、いま一つ作り方がよく分からない」ということであれば、一度弊社にお問い合わせいただければと思います。
転ばぬ先の杖ではありませんが、倒産せぬ先の資金繰り表です。
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