ミセルチカラの磨き方

2022/12/15

本来の目的から考えて行動し、小さな問題で右往左往しない

カテゴリー :マネジメント

心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

一番苦労したのはメンバーのマネジメント

懐かしい人に会えるというのは、やはりうれしいもの。

夫の駐在に伴ってフィリピンで暮らすことになった時、最初に友達になった人との再会はまさに「時間を忘れて話し続ける」楽しい時間でした。

 

今から四半世紀以上前。

フィリピンでの暮らしは、当時の日本よりも10年以上は遅れていたと思います。

なにかにつけて不便ではあったのですが、その中で工夫をして楽しみを見つけることで、フィリピンでの暮らしを豊かにしていたと思います。

 

私の生活を豊かにしてくれたものの1つが、歌でした。

マニラ日本人会には、40年以上続く合唱団があって私も帰国するまで参加していました。

 

この合唱団は、いろいろなイベントで歌うこともあるのですが、1年をかけて取り組むのがクリスマスコンサートです。

会場は500人以上のお客様が入る大きなホール。日本語の歌はもちろん、フィリピン人と一緒にフィリピンの歌も歌う3ステージ構成の本格的なコンサートです。

 

このコンサート、有料です。

ただの発表会じゃないのは、その収益の使い道が決まっているからなんです。

それは、コンサートの収益で、経済的に苦しい家庭の子供が学校に通えるためのサポートをすることでした。

サポートをしている子供たちから、お礼の手紙や絵が届くことはとてもうれしかったことを今でもよく覚えています。

 

今になってこのことを思い返してみると、日頃からお伝えしている「大切なこと」ができていなかったことに気づきます。

年に1度のコンサートをやることは「目標」、子供が学校の通うためのサポートは「目的」です。

当時、自分を含めてですが、「目的」を「目的として」しっかり認識していたかと言うと、できていませんでした。コンサートを実施する流れの中でのひとつの要素に過ぎなかったのではないかと思います。

 

「目的を忘れて、目先の目標だけに集中する」ということは、会社でも同じようなことがよくあります。

目的を言語化して皆で共有する」ことをしていないために勃発する問題もあるわけです。

 

当然のことながら、合唱団にもありました。

・古参部員の顔色を伺って忖度する

・小さな派閥間でのいさかいがある

・年下のリーダーがまとめられない

・自分の利益だけを主張する人がいる

・陰口が広まって居づらくなって辞めてしまう

 

「こんなことがあったなぁ」と思い出すと同時にハッとしました。

ここまで読んでくださった方もお気づきだと思います。

これはマネジメントでも一緒だ!

 

目の前で起こっている問題だけに目をやると、その都度ごとに仲裁したり、なだめたり、根回ししたりということが延々と続いて、ひとつ解決してもまた同じような問題が出てきます。

会社においても、何か問題が起こった時、「なぜ起こったのか」「誰がやったのか」「何をしたのか」といったことだけ追求して問題解決を図りがちです。

これではどんなに時間と労力を割いても、しばらくすると同じ問題が起こることは間違いありません。

 

起こった問題を解決するために、「本来の目的から考えたらどうなのか」とか、「目的から考えると何が問題でどこをどう改善するのか」とか、そういう視点が抜け落ちている限り、同じことは繰り返し起きるのです。

「フィリピンの子供たちをサポートする」という本来の目的を達成することから考えれば、小さないざこざやどうでもいいような問題に右往左往することもなかったと今なら思います。

 

フィリピン滞在の最後の年、私はこの合唱団の指揮者という大役に就きました。

多くは駐在員の家族がメンバーですから、指揮者ができる人がまったくいなくなるという事態も発生してしまうので、年も若く経験もない私が引き受けることに。

 

一番苦労したのは、メンバーのマネジメント

合唱団は、立場も年齢も考え方もバラバラの個性あふれる人達の集まりです。まとめることは一筋縄ではいきませんでした。

いよいよクリスマスコンサートが近づいてきた頃、食事がのどを通らなくなって飲み込むことができなくなりました。

この私がです…笑。

げっそり痩せてしまって出来上がってきたコンサート用の衣装もブカブカ。友人が慌ててサイズ詰めをして直してくれました。

 

このコンサートが、フィリピンの子供たちも招待して、たくさんの人に喜んでいただいて終われたことは、私の生涯の思い出になりました。

今の私だったらこんなことにはならなかったでしょうし、もっと考えてできたことがあったと思います。

ただ、「社員のマネジメントに活かせる」とすれば、経験から得たものをみなさんにお伝えできますから大きな財産です。

 

このクリスマスコンサートはいつも満席。

歴史もあって、知名度もそこそこあって、「ブランド力」があるわけです。

集客のためのPR活動も必要なかったのはなんとも羨ましい状況ですね。

 

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では、今日も1日お元気で。

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