ミセルチカラの磨き方
家業を継ぐか継がないかを考える際は3つの側面から頭を整理する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先日あるSNSで「家業のいいところといやなところ」という話題が上っていました。
家業を継ぐという場合
- オーナー(株主)
- 経営者(社長)
- プレイヤー(社員)
という3つの側面があります。
まず、オーナー(株主)という点において会社経営という点から考えると、
・100%自分が株を持っている
・100%自分が株を持っている訳ではない
によって難しさが違ってきます。
前述のSNSの中で「親族がいろいろと口出すのが面倒くさくて嫌だ」という投稿がありました。
上場会社の株主対応と違って家業の場合は親や兄弟など親族が絡んでくるので、問題がより複雑になる可能性があります。この点、資本政策(誰を株主にするのか)は相続税の問題も含めて悩ましいことの一つです。
一方、社員数も少ない家業の場合、社長といっても、社員として働かなければなりません。
メーカーであれば技術の伝承をどうするか、サービス業であれば、顧客のクレームにどのように対応するかといった様々な問題をクリアする必要があります。ただし、この部分は家業であってもなくても共通する問題です。
そして、経営者としての側面。
先代のやってきたことをそのまま踏襲しても上手くいかなくなっている時代において、家業においても「経営者としてどのように力を発揮するか」は、一番悩ましい問題かもしれません。
そして、家業を継ぐか継がないかといったことを後継者候補の人が考える際、たいていの場合、現社長は
- オーナー(株主)
- 経営者(社長)
- プレイヤー(社員)
という3つの役割を同時に兼ねて仕事をしているため、「たいへんそうだ」「自分には無理だ」「あんな苦労はしたくない」と感じる人も多いのではないでしょうか。
拙著を送った従兄弟から本が届いた旨の電話が先日ありました。その従兄弟は会社経営をしているので、何か参考になればと思って拙著を送ったのです。
てっきり本の感想でも言ってくれるのかと思っていたら「今度会社をたたむことにした」という話が出てびっくり!
息子が2人いるのですが、2人とも家業を継ぐ気はなさそうなので、第三者に会社を譲る手続を始めている模様です。
もちろん、家業を継ぐかどうかは後継者候補の自由。
また、現社長が自分の会社を息子や娘に継がせたいかどうかは、社長によって違うかと思います。
しかしながら、もし、現社長が「できれば息子か娘に家業を継いでほしい」と考えていて、後継者候補の人が「ちょっと難しいかも?」と思っているとしたら、前述の
- オーナー(株主)
- 経営者(社長)
- プレイヤー(社員)
を分けて考えてみると、いろいろと対応策が出てきます。
例えば、「オーナーの地位は引き継ぐが、経営者は他の人にやってもらう」ということであれば、後継者は会社勤めをしながらでも家業を継ぐことができます。
また、いまは副業も流行っているので、「本業を持ちながら週1日だけ社員として働く」ことで、家業の面白さを発見できるかもしれません。
先のSNSの中では、家業を継ごうかどうか迷っている感じの人が多いように思えたので、僭越ながら「3つの側面から頭を整理してみましょう」と投稿しました。
なお、もし、経営者(社長)としてやってみたいが不安が残るという方には「自分を突き動かす原動力である心意気を言語化する」ことをお勧めしています。
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家業であれ、何であれ、会社の経営者に求められるのは「覚悟」であると私は考えています。
経営者に必要なスキルやノウハウは学ぶ方法はたくさんありますし、苦手な分野の仕事は人に任せることもできます。しかしながら、覚悟の部分だけは学べばできるものでもなく、自分以外の第三者に委ねられるものではありません。
中途半端な覚悟のまま、「親から『家業を継いでほしい』と言われたから」という理由だけで、経営者の地位を継承すると、困難な状況に直面した際、必ず人のせいにします。
なお、従兄弟からは詳しい経緯を聞いていないので詳細は不明ですが、今度会う機会があったら、会社を譲る決心をしたまでの話を聞いてみたいと思います。
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