ミセルチカラの磨き方
「仕事がたいへんなので、人を増やしてくれ」は社員でなく会社のSOS
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「『仕事がたいへんなので、人を増やしてくれ』とすぐに言ってくる」
社長さんとお話していると、社員に対する不満としてよく耳にする言葉です。
社長からすると
- 仕事のやり方は今のままで良いのか?
- もっと効果的にできる方法があるのでは?
という思いがあります。
一方、社員からすると、
- 今の仕事のやり方を見直すのは面倒くさい
- 人を増やしても自分の懐が痛む訳ではない
ので、
仕事が忙しくてたいへんだ
↓
社員を増やして、負担を軽減して欲しい
という発想になります。
そして、今は社員を雇うことに伴うコストの増加に加えて、「人手不足で採用したくても人が来ない」という問題があります。
先日も、打ち合わせの前に立ち寄った飲食店で、お店の席が空いているのに、しばらく外で待たされるということがありました。
10分ほど待たされて、ようやく店内に入れてもらえたのですが
・以前は3人いたスタッフが2人しかいなかった
・カウンター席の半分くらいはお客さんが座れないようにしていた
ことが分かりました。
また、料理が出てくるまでの間に2回ほどデリバリーの注文が入っていたのですが、途中で、店長らしき人が「もう今日は(デリバリーを)受けるのを止めよう」とスタッフに指示していました。
この状況から推測するに
本来は3人でお店を回したいのに1人足りない
↓
オペレーションの問題で、ランチタイムも注文を制限せざるを得ない
です。
また、別の日にマクドナルドのあるお店で、「ランチタイムは過ぎたのに、カウンターの前にかなりの行列ができている」場面に遭遇しました。
そこで、ちょっと観察してみると
スタッフの人数が足りない
↓
カウンターで注文を取る人が1人しかいない
ことが分かりました。
店内にはスタッフ募集の垂れ幕が貼ってありましたが、ここでも人手不足による売上機会の逸失があるなぁと感じた次第です。
このような状態は飲食店に限らず、あらゆる業種でも起こりうる可能性があります。
このため、仮に社員から「仕事がたいへんなので、人を増やしてくれ」と言ってきて、資金繰り的にも問題がないので、「じゃぁ、人を増やそう」と社長が思ったとしても、肝心の人が採用できない恐れがあります。
「仕事がたいへんなので、人を増やしてくれ」は怠慢な社員のSOSでなく会社自体のSOS。
社長はたとえ社員から人を増やして欲しいという要請がない場合でも
- 仕事のやり方は今のままで良いのか?
- もっと効果的にできる方法があるのでは?
を今まで以上に真剣に考える必要があります。
そして、社長と社員では見ている景色が違うので、「仕事のやり方を常に見直して、もっと効果的に取り組む方法を見つけて欲しい」と期待するだけでは、期待外れに終わる可能性大です。
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