ミセルチカラの磨き方
在任期間の長い中小企業の経営者は根本的な問題を先送りせず、早めに手を打つ
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
大きな問題が起こると、多くの場合
原因を分析する
↓
対策を打つ
といったことが行われます。
けれども、トラブルがさほど大きくなかった場合、始末書1枚書いて終了というケースも少なくありません。そして、その場合、「Aさんに問題があった」という結論を出して、組織の問題には触れずじまいということも、よくあります。
しかしながら、「小さな問題が一つ発覚する」背景には、たいてい「組織が抱えている大きな問題がある」のが普通です。
そして、その大きな問題を本格的に解決しようとすると
過去に遡って、責任を追求せざるを得なくなる
↓
いろいろな利害関係者にも影響が及ぶ
↓
比較的下位にいる人に責任を取らせて終了する
という流れが生まれます。
根本的な問題の先送りは、いつかは大きな問題となって、時には組織の土台を揺るがします。
国連の問題で言えば、常任理事国に拒否権があることで、大国がからむ紛争が起きた時に、その機能を果たせないという問題が露呈しています。
日本においても、財政の問題や原発の問題を始め、先送りしている問題が山積みです。
会社においては、業績悪化の状況に追い込まれると、否応なしに、根本的な問題と向き合わざるを得ません。
しかしながら
・一定の売上は確保できている
・利益も減少傾向にはあるが、黒字は確保している
という状態であれば、「根本的な問題と向き合って、それを解決しよう」という動きは出てこないのが普通です。
その際、問われるのは経営者のリーダーシップ。
たとえ、経営者が危機感を抱いていても、その危機感を社員と共有できるかどうかは未知数です。このため、当初は孤軍奮闘になりがちです。
それでも、粘り強く根本的な問題と向き合ってそれを解決しようという姿勢を持ち続けられるかどうか。
この点、一定の任期がある大企業の経営者や政治家の先生方と比べた場合、「中小企業の経営者は、より長期的な視点に立って決断し、行動できる」という点では有利な地位にいます。
一方で、そのような有利な地位にいるにも関わらず、根本的な問題を先送りしてしまう思考が染みついていると、当面はなんとか乗り切れても、いつかは大きなしっぺ返しにあいます。
夏休みも近いこの時期、少し時間を取って、「根本的な問題で先送りしているものはないか」をチェックしてみましょう。
なお
・最近仕事で孤立無援さを感じた
・最近仕事で理不尽な出来事があった
・最近仕事で「自分が間違っているのでは」と感じた
・最近仕事で頑張ったのに無力感にさいなまれた
・最近仕事でイラっとして眠れないことがあった
もし、このうち一つでも当てはまることがあったなら、近い将来また同じようなことが起こる可能性があります。問題は早めに解決しましょう。
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