ミセルチカラの磨き方
5Sでなく、あえて2Sで整理整頓を進めるセンスから学べる仕事の基本とは?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
製造業などの工場で業務改善でよく言われている5S。
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾(しつけ)
しかしながら、住宅用木材の加工を主力とする長谷川萬治商店さんでは、あえて
・整理
・整頓
の2Sを掲げて、業務改善に取り組まれているそうです。
理由は「整理整頓が継続的にできていれば、当然、清掃、清潔、躾もできている」と考えられるからです。
(「日経トップリーダー」2021年12月号参照)
社長としてはつい「あれも」「これも」と指示を出したくなります。
けれども、あまりたくさんの指示を出しても、社員の方はどれを優先して良いのか分からず、かえって混乱することがあります。
5Sでもけっして多いとは言えません。けれども、あえてそこに構造的な違いを考慮して2Sに絞ったセンスはすごいなと感じます。
整理整頓を継続的に実現するには
・いつも清掃する
・いつも清潔を保つ
・いつもを維持できるよう人を育てる
といった要素が必要です。
つまり、構造からすると
整理・整頓
↓
清掃・清潔・躾
となります。
もちろん、
・具体的にどのように清掃するか
・清潔さを保つために必要なものは何か
・人材育成でどう社員を躾けるか
といった細かいポイントはたくさんあります。
しかしながら、これらのポイントを「整理整頓を継続的に実現する」という、より高次元の観点から考えることで、やるべきことも自ずと見えてきます。
会社経営で言えば、
経営理念
↓
経営戦略
↓
戦術
↓
仕事
という構造があります。
本来であれば、日々の仕事は会社の経営理念に基づき、会社の経営戦略や戦術に沿ったものでなければなりません。
けれども、実際には個々の事情が優先され
・経営理念とは反するような仕事
・戦略や戦術には沿っていない仕事
が横行していることがあります。
年始にあたって
- これからもこのまま続けていく仕事
- これからはやり方を変えて続ける仕事
- これからは止める仕事
をきちんと整理し、これからも続ける仕事は「誰がやっても一定のレベルが保てるように仕事の内容や手順を明示する」といった整頓に取り組みましょう。
仕事のやり方など具体的なものは、いったん決まってしまうと、変えるのが面倒。このため、どうしても固定的になりがちです。けれども、構造からすれば、より上位概念のものほど固定的であるのが理想的です。
5Sの例で言えば
整理・整頓の定義を決める
↓
清掃・清潔・躾の具体的な施策を考える
であり、会社経営で言えば
経営理念を明らかにする
↓
会社の経営戦略を定める
↓
戦略に沿って個々の戦術を決める
↓
具体的な仕事を内容や手順を決める
です。
構造を明らかにした上で、正しい順番で決めていく。仕事を効果的に進めるための基本です。
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