ミセルチカラの磨き方
仕事を引継ぐ際のポイントは仕事のやり方を教えることではない?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
社内で仕事を引継ぐ際、よくあるのは「仕事のやり方を教える」というものです。
「雛形はこのフォルダに入っているので、日付と名前を訂正して新しい書類を作る」
「その番号をここに入力すると、データが更新されるので、プリントアウトして課長の決裁をもらう」
といったように、「その仕事をどのようにやるのか」を説明して、実際にやらせてみて、疑問点があれば、それに答えるという形の引継ぎが一般的です。
しかしながら、引継ぎにおいてより大切なのは、仕事のやり方よりも「仕事の目的」です。
つまり
- なぜ、その仕事をやるのか
- その仕事は業務フローの中で、どのような位置付けにあるのか
を明らかにすることです。
仕事を引継ぐ側の人が経験が浅い場合、まずは教えてもらったやり方を一生懸命覚えようとします。つまり、仕事のやり方そのものにあまり疑問を挟もうとはしません。
一方、仕事を教える側の人も「なぜ、このようなやり方なのですか?」と質問された場合、答えに窮することがあります。
「私も先輩からこうやるよう教えられた」「これがウチのやり方だから」といった曖昧な答えしかできず、結果的にあまり意味のない仕事がそのまま続いていくことも少なくありません。
「過去からいろいろと試行錯誤を重ねた結果、今のところ、このやり方がベストだ」という形で社内で精査されたやり方であれば、そのやり方を教えるのもありです。
けれども、特に中小企業では、その仕事の目的や位置付けが曖昧なまま、担当者が属人的に続けていたやり方がそのまま引継がれることが多いです。
もし、きちんと精査されたやり方であれば
・なぜ、この雛形を使っているのか
・どうして、ここで課長の決裁が必要なのか
をちゃんと伝えられるはずです。
もし、そこが伝えられないのであれば
・雛形は本当にこれで良いのか
・課長の決裁は本当に要るのか
から、見直すことも必要です。
仕事を引継ぐことで担い手が変わることは、その仕事の課題を見つける大きなチャンス。せっかく仕事の担い手を変えるのであれば、単に従来のやり方を踏襲するのではなく、その仕事のあり方そのものを見直す機会にしましょう。
なお、弊社では新たに「社長のお仕事引継ぎサポート」を始めます。
中小企業では、本来は部長や課長がやらなければならない仕事を社長ご自身が担っているケースがたくさんあります。社員に任せるべき仕事は思い切って社員に任せることで、局面は大きく変わります。
年末に向けて、ご自身の仕事を一度棚卸ししていただき、「どうやったら社員に上手く引継ぎできるか」と頭に浮かんできたら、お気軽にお声かけください。
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