ミセルチカラの磨き方
請求書の発行から垣間見える業務改善のヒント
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先月末、2ヵ月ほど入院していた母がようやく退院することになりました。その際、係の人から請求書を2枚渡されました。
母は背骨の圧迫骨折でリハビリ病院に入院していたのですが、その間、系列の病院の方で一度レントゲン検診を受けた模様です。このため、リハビリ病院の請求書と系列の病院の請求書の2枚を渡されたのです。
後者の方は金額にして360円。
系列の病院は入院していたリハビリ病院から歩いて5分のほどの所にあります。ただ、一刻も早く家に帰りたい母を待たせるのも嫌だし、後者の支払いはその日でなくても良いとのことなので、取り急ぎリハビリ病院の清算だけ済まして、実家に向かいました。
この時、思い出したのがあるクライアントさんの業務改善のこと。
その会社では「いろいろな部署から請求書が来る」というクレームがお客さんから来たということがありました。同じ会社なのに、各部署がバラバラに請求書を発行しているために、お客さんは同じ会社宛に何回も振込しなければならないという事態が生じていたのです。
先の病院のケースは同じ系列とはいえ、別の組織。このため、患者側からすれば「一つにまとめて支払いたい」という希望はありますが、システム上すぐには対応が難しいかもしれません。
一方、クライアントさんの場合は、同じ社内なので、部署間できちんと調整すれば、対応は可能なはずです。
業務改善に取り組むにあたっては、生産性の向上やミスの削減など、いろいろな目的があります。
その際、どうしても組織内の都合が優先されがちです。けれども、より大切なのは「その業務改善はお客様の役に立つのか」という視点です。
システムを導入することで、社員の仕事は簡素化されても、そのシステムがお客様に使いづらいものであれば、お客様にとっては業務改善ではなく業務改悪です。
いまは連日のようにDXという言葉が飛び交っています。ただ、IT会社の提案を見ていると、単に社員がやっている仕事をシステム化することに見えるものも少なくありません。
もし、省力化を中心にDXを進めるのであれば、「空いた時間や浮いた労力で何に力を入れるのか」をセットで考えておかないと、小さな改善に留まって大きな改革にはつながりません。
請求書のやり取りもお客様との接点の一つ。その観点からDXを考えるのも、良いきっかけになります。
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