ミセルチカラの磨き方
「できること」を仕事にして起業すると失敗する!?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
起業する際や転職する際、今までの自分のキャリアを振り返って、「自分ができる仕事」を棚卸しします。
私も15年前に起業した際には、銀行での経験をベースに「自分ができる仕事=資金繰り対策」をメインにしてアピールしました。
また、起業した後に通ったマーケティング講座でも
・できること
・やりたいこと
・ニーズがあること
をベースにした方が良いというアドバイスを受けました。
しかしながら、起業してみて分かったのは「できることを仕事にすると失敗する」ということです。
もちろん、失敗しない人もおられますが、セオリー通りにやっても、途中で壁にぶつかって、上手くいかないケースがあるのです。実は私がそうでした。
私のように、サラリーマンとして企業で働いた経験や実績を基に起業する場合、「過去の経験や実績は分解して捉え直す」必要があります。
分解する要素としては
- 看板
- 知識やノウハウ
- 本人の資質
の3つです。
まず、看板。
大企業に勤めていれば、本人の実力とは別に会社の看板で仕事をすることができます。
私の場合で言えば、資金繰り対策として「この経費を削りましょう」という提案を社長にする際
・銀行員としての提案:すぐに納得される
・一個人としての提案:必ずしも納得されない
ということがあります。
会社側からすれば
・銀行員としての提案:実行すれば融資を受けられる
というメリットがあるのに対して
・一個人としての提案:融資を受けられるとは限らない
という違いがあります。
このため、同じような提案をするにしても、看板がない場合はより一層工夫する必要があります。
次に知識やノウハウ。
これに関しても、今や様々な知識やノウハウがネット情報に溢れかえっています。このため、世の中で自分だけしか知らないといった知識やノウハウはまずありません。
15年前に起業した際は、「元銀行員」というのは、まだあまり見かけませんでした。しかしながら、今や資金繰り対策をやっているコンサルタントの中に、元銀行員の方はたくさんおられます。
つまり、過去に学んだ知識やノウハウは急速に陳腐化する傾向があります。このため、ある分野で仕事を続けるのであれば、常に研究・研鑽していくことが絶対に必要です。
そして、本人の資質。
起業や転職するす際、看板や知識・ノウハウがあまり役立たないとすれば、最後は本人の資質が勝負の分かれ目になります。
ここでいう資質とは
・その仕事が本当に心底好きなのかどうか
・何か障害があっても粘り強く乗り越える力ややる気があるかどうか
という要素を含みます。
しかしながら、他人からの評価も、そして、自分に関する自分自身の評価も「看板+知識・ノウハウ+本人の資質」が混然一体となっているケースがほとんどです。このため、「できることを仕事にすると失敗する」ケースが生まれます。
つまり、看板もなく、従来の知識やノウハウも差別化要因とならない中では、「本気で取り組んでいる人には勝てない」のです。
この問題を解決するには、「自分ができることを通して自分が提供したい価値」を言葉にすることが必要です。
私の場合で言えば
銀行員として資金繰り対策をやっていた
↓
資金繰り対策を仕事にする
だけでは力不足。
資金繰り対策を通して、どのような価値を提供したいのかを自分で自覚していないと、「資金繰り対策は私の天職です」という人には絶対に勝てません。
もし、皆さんが自分ができることを仕事にされているのに、いま一つ釈然としないと感じておられるのであれば、「その仕事を通して、自分はどのような価値を提供したいのか」を掘り下げることをお薦めします。
その価値を自分で言語化できると、いまやっておられる仕事の位置づけが変わってきます。
弊社では、資金繰り、感情、価値など、「見えていないもの」「見ていないもの」「見せていないもの」を言葉という形にすることで、「これでいいのだ!」を見つけてもらう仕事に取り組んでいます。
なお、「理由が見えないお悩み」を抱えておられる方向けに、「オンライン初期診断」(1回90分、5,000円)を開催しています。自分ができることを仕事にしているのに、いま一つ釈然とされていない方は、「オンライン初期診断」をご活用いただければと思います。
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