ミセルチカラの磨き方
マーケティングでも大切なネーミングが勘違いの始まり?
ワクワクの仕掛け人、岩井洋美です。
今日は「ネーミング」についてです。
同じ商品やサービスであっても、見せ方を変えることで大ヒット商品や大人気サービスになることはよくあります。
「ネーミング」もそのひとつ。
でも、今日お話しするのは「ネーミング」によってお客様に勘違いを起こしたって話です。
「最近なんか目がゴロゴロしてる~」
ドライアイ気味の私はドラッグストアに行ったついでに目薬を買うことにしました。
目薬コーナーで目に飛び込んできたのは「ヒアレイン」という商品。これは以前眼科で処方してもらっていたものと同じ名前です。
「ドラッグストアでも買えるんだ!」と思った私はさっそく「ヒアレイン」の空箱をかごに入れてレジへ。
すると、レジの店員さん、
「少々お待ちください。今薬剤師を呼びますので」
「えっ?薬剤師?」
と思っていると、薬剤師さんを呼ぶ店内放送が。
分厚いファイルをかかえた薬剤師さんがレジへやってきました。
「眼科でドライアイと診断されたことがありますか?」
と聞かれたので
「はい、あります」
と答えると、おもむろに持参したファイルを開いて
「ここに書いてあるんですけれど、ドライアイと診断されたことがある方には売れないんです」
と。
「そんな小さい字ははっきり見えないんだけど…」
と思いながら、薬剤師さんの説明を聞く私。
結局のところ、
・商品の名前は同じだけれど、成分が違う
・眼科で処方されるものよりも強い薬になっている
・製薬会社からの決まりでドライアイの人には売れない
ということらしい。
商品の名前が同じだから買おうとしただけの私は、
「普通の目薬だと沁みてしまうので、沁みない目薬が欲しかっただけです」
と言うと、薬剤師さんから、繰り返し、繰り返し言われました。
「これが沁みない目薬ですと言って、商品を勧めることはできないんです」
あぁ~、なるほどね~。
「沁みないって言ったのに沁みたじゃないか!」
って文句言う人もいるのかもしれないからね~。
このやり取りはレジのところでしているわけです。
レジを堰き止めてしまっていますから、レジを待つ他のお客様にも大迷惑。
だんだんげんなりしてきた私は、
「じゃぁ、目薬はいいです」
と言って、他の商品だけ支払いを済ませて終了しました。
そもそもは、同じ「ネーミング」が勘違いの始まりです。
お客様が勘違いしてしまうような「ネーミング」にするのは、「まがい物」を故意に売る場合にはありますよ。
それで思い出しましたが、フィリピンに住んでいた時、ロゴの字体はそのままに「フェラガモ」を「フェロガモ」としているものがありました。あるある笑い話。
でも、今回は微妙に似ていて違うのではなく、全く同じ「ヒアレイン」です。
これはお客様のことを考えているんだろうか?
この目薬はどういう人が買うんだろうか?
そんな疑問がムクムクと湧いてきます。
また、売り場に注意書きをしてお知らせすることもできます。
これは製薬会社もドラッグストアも、まったくお客様の側に立っていないということ。
使う人、買う人がいてこその商品なのに、一番大事なことを忘れています。
支払いを済ませたときレジの人からもひと言。
「眼科に行って目薬もらってください」
いやいや、言うべきことはそれじゃないでしょ!
では、今日も1日お元気で!
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