ミセルチカラの磨き方
経営方針を浸透させるには経営者の根気が不可欠
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
経営者の意図や考えがきっちりと社内に伝わり、結果につながっているかというのは、なかなか一筋縄ではいきません。
以前弊社のセミナーで一つの事例として、あるお寿司屋さんのパンフレットをお配りしました。
参加者にそれを見た感想をお聞きしたところ、
「この真ん中の寿司御膳がお薦めなのかなぁと思いました」
見開きになっているパンフレットを開くと、まさに、ど真ん中の一番目立つところに上から、1,260円、1,580円、2,310円の寿司御膳がきれいな写真と一緒に載っています。(注:価格は当時のものです。)
そのお寿司屋さん、新鮮で旨いお寿司がリーズナブルな価格で食べられると評判のお店。口コミで広がって、連日お昼は超満員。特に土日祝日は目の回るような忙しさです。そして、来店されたお客様の大半はパンフレットにも掲載されている寿司御膳を注文されます。
一見、何の問題もないように見えますが、経営者が担当者に指示していたのは、
「いわゆる『お決まりもの』ではなく、『お好み』で注文してくれるお客様を今後は増やしていこう」
そこで、今回初めてお店のパンフレットを作ることになったのですが、できたパンフレットは、まさに「『お決まりもの』が当店のお薦め!」という代物。このパンフレット、色合いもきれいで「一般論」としては〇ですが、会社の経営方針に沿ったものかという点では?です。
社内では定期的にお店の運営方針について協議を重ねています。だから、経営者としては、「(当然)その方針に沿ってみんなが動いてくれる」という思いがあります。しかし、仮にその方針が各人に伝わっていたとしても、それが現実の成果として現れてくるかどうかは、また別問題です。
アップル社でもかのスティーブ・ジョブズがある商品の開発会議で試作品の出来の悪さに腹を立てて壁に投げつけたこともあるとか・・・。
経営方針をどうやって社内に定着させ、浸透させるかというのは、会社によって、また、人によってやり方は様々。しかし、経営者にも根気が求められる分野であることは間違いありません。
伝え続けてこそ、ようやく浸透するのが経営方針。社員が「社長はいつも同じことばかり言っている」と呆れられるぐらいでちょうど良いのかもしれません。
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