ミセルチカラの磨き方
人気知事の対応からエッセンスを読み取り、自社のビジネスに活かす
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
新型コロナウイルスの対応を巡って、各都道府県の知事に対する評価がいろいろ分かれています。
そして、比較的評判の高い知事に共通するのは、「マーケティングでやった方が良いと言われている手法を踏襲している」ということです。
- お客様が欲しい商品を提供する
- お客様と共通の敵を作る
- コミットしてお客様に安心を与える
1.お客様が欲しい商品を提供する
言ってみれば、すごく当たり前のことです。しかしながら、実際には「お客様が欲しい商品ではなく、自分たちが良いと思う商品を売ろうとしている」ことが少なくありません。
大阪府の吉村知事が緊急事態宣言解除の目安となる基準を打ち出しました。
その基準が医学的に正しいかどうかはさておき、緊急事態宣言が1ヵ月延長される中にあって、多くの国民は「どういう状況になったら緊急事態宣言が解除されるのかを具体的に示して欲しい」と思ったはずです。
政府がいろいろと事情があって基準を明確に示せない中、「お客様が欲しい商品=緊急事態宣言を解除する基準」を提供したと言えます。
2.お客様と共通の敵を作る
マーケティングでは、共通の敵を作って「私はあなたの味方です!」的なポジションを作ることで共感を得る手法があります。
東京都の小池都知事が「社長だと思っていたら、中間管理職になったようだった」と発言したことが話題に上りました。
つまり、自分は東京都のトップなので、いろいろと独自で決められると思っていたが、実際には国の許可が必要で、なかなか思う通りにはならないことを嘆いたのです。この場合は「お客様と共通の敵=国(政府)」で、対策が進まないのは共通の敵が悪いという主張です。
これが政治的なパフォーマンスかどうかは別問題として、あのような発言を受けて、「自分たちの味方である百合子、頑張れ!」と思った人も多かったように感じます。
3.コミットしてお客様に安心を与える
多くのお客様は「この商品を買っても本当に大丈夫だろうか?」「このサービスを利用して上手くいくのだろうか?」と不安に思っています。
このような時に「結果にコミット」ではありませんが、「気に入らなかったら、返金します」と返金保証をつけたり、「◯◯になるまで必ずやります!」と約束することで、お客様は安心感を抱きます。
アメリカニューヨーク州のクオモ知事は今回の新型コロナウイルス対策の中で、「言い訳はしない。失敗があれば私の責任だ」と発言することで、多くの市民に安心を与えました。
今回のような未知との戦いにおいては何が正解かは誰も分かりません。一定の情報に基づいて、一つの決断を下しても、その結果が芳しくないこともあります。このような場合、多くの人は責任を回避するために言い訳したり、第三者に責任を押しつけたりします。
しかしながら、「失敗したらすべて私の責任だ」とトップが宣言することで、部下は安心して仕事に集中することができます。また、このような腹をくくった発言を聞けば、市民も「そこまで言うなら知事の言う通りにしよう」と感じます。
コミットの仕方はいろいろですが、人も動物なので、より強い者になびきます。
このコミットの項目で、日本の政治家の名前が思い浮かばなかったのは残念ですが(苦笑)、ビジネスにおいても強いコミットはお客様を魅了します。
- お客様が欲しい商品を提供する
- お客様と共通の敵を作る
- コミットしてお客様に安心を与える
各知事に政治的な意見な違いや個人的な好き嫌いは当然あるかと思います。しかしながら、人気があったり、評価が高かったりする背景には何からしらの要因があります。
そして、その要因は我々のビジネスにも活かせるはず。学べるところは積極的に学んで、結果につなげましょう。
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