ミセルチカラの磨き方
経営者は自分の欲を二刀流で使い分ける
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
新年が始まり、新たな決意をされた方も多いかと思いますが、今回は、「自分の欲とどうつきあうか」について考察してみます。
経営者であれば、誰しも「自分の会社を大きくしたい」とか、「もっと利益を上げたい」といった欲があるかと思います。一方で、一時羽振りの良かった人が落ちぶれたりすると、「あの人は強欲だったから」といったように非難されます。
それゆえ、「欲のない人=いい人」のように解釈されがちです。
では、経営者は自分の欲とどう折り合いをつければ良いのでしょうか。
私の考えは
自分の欲は欲として大いに容認する
一方で、
お客様に対しては、徹底的に自分の欲を捨て去る
という二刀流が必要というものです。
会社が一定水準の利益を上げるためには、お客様を喜ばすということが欠かせません。
この時、お客様は
- 経営者が自分の会社をどのくらいの売上にしたいのか
- お客様自身がその商品を買うことで、その会社にはいくらの利益が出るのか
には、あまり関心がありません。
関心があるのは、
- その商品で、自分の抱えている問題が解決できるのか
- その商品の価格は、自分で買える範囲のものか
ということです。
つまり、お客様は、経営者が持っている欲には興味がなく、興味があるのは、「お客様自身の欲を満たすものなのかどうか」という点です。この時、経営者の欲は邪魔者でしかありません。
一方で、もし経営者が世俗的な欲とは別に純粋な気持ちから、「この商品を通して、〇〇な世界を実現したい」という欲(ビジョン)を持っているなら、この欲はお客様の共感を生む可能性があります。
すなわち、経営者の欲がお客様の欲とぶつからないのは、欲がビジョンの領域にまで深化した時に限るのです。
現実問題として、会社は毎月売上を上げ、一定の利益を確保しないと、事業を続けることができません。
そして、多くの場面においては、経営者の欲が見え隠れすると、「なんだかちょっとねぇ」という印象を持たれてしまい、「売上を上げたい」、「利益を確保したい」という欲が満たされない方向に進んでしまいます。
ビジネス経験の浅い人を対象にするなら、言葉を巧みに使い分けることで、自分の欲を隠して売上を上げることも可能です。しかしながら、一定レベル以上の人になると、「この人は本当に欲のない人なのか、単に欲を隠している人なのか」はすぐに見破られてしまいます。
だからこそ、自分の欲は欲として大いに容認することは不可欠です。そして、それを前提とした上で、お客様に対しては、徹底的に自分の欲を捨て去ること。
欲と欲がぶつかる資本主義社会で生きていくことは、ある意味矛盾の中で生きていくことです。
欲を認めつつ、欲を捨て去る。
この二項対立の矛盾を抱えながら、そこを乗り越えてこそ、人も会社も次のステージに行けます。
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