ミセルチカラの磨き方
人手不足の中、果敢に挑戦する社員を増やすための最初の一手
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「私なんてたいしたことないんで」
そう口にした相手に迂闊に「そうですね」と相槌をうってしまうとたいへんなことになります。なぜなら、自分のことを「たいしたことない」と言う人に限って、多くの場合、「自分はたいしたことある」と思っているからです。
では、そのような相手に「そんなことないです、スゴイですよ!」と声を掛ければ、問題が解決するかというと、そう単純なものでもありません。
「たいしたことない」と口にする背景には
- 本当に認めてほしい人に認められていない
- 自分が考えている基準と現実との間にギャップがある
ということがあります。
例えば、「後継社長が創業者に認めてほしいと思っているのに、『よくやっている』となかなか言ってもらえない」とか、「自分の実力なら売上で10億円はいけると思っているのに、実際は3億円の壁をなかなか突破できない」といったことがあります。
前者の場合は、価値判断の基準を自分以外の第三者に置いているために、当該者の評価基準によって自分の判断が左右されるという状況が生まれます。
また、後者の場合は、人の評価は売上の大きさによって決まるという判断基準があるために、仮に頑張って10億円の売上を達成しても、売上高100億円の会社の経営者には引け目を感じる可能性があります。
これらを突き詰めていくと、条件付きの判断基準を設定していると、本当は認めてほしいけれど、認めてもらえないという状況が必ず生まれます。
そして、会社における人の評価基準は、ほとんどが条件付きです。
目標を達成した人は〇で、達成できなかった人は×。
部下を育成できる管理職は〇で、できないと×。
社長の指示通り動ける人は〇で、反論する人は×。
このため、社員はどうしても「私なんてたいしたことない」と思いがちになる傾向があります。
特に中小企業の場合、
- 社長と社員との間で実力や意識のギャップが大きい
- 社長と社員の距離が比較的近い
がゆえに、社長は「ウチの社員はたいしたことないなぁ」と思うことが多く、その影響として社員も「自分なんてたいしたことない」と捉える傾向が強いように感じます。
そして、自ら「たいしたことはない」という防御線を張ることで、新しいことや難しいことに積極的に挑戦することを嫌う恐れがあります。
しかし、人材不足が深刻化する中、「私なんてたいしたことない」と言う人をできるだけ減らしていかないと、会社の業績は絶対に良くなりません。
それを実現するには
条件なしで相手を承認する
↓
存在を認めてもらえているという安心感を持ってもらう
↓
新たな挑戦に向けて一歩踏み出す
↓
結果いかんに関わらず、挑戦したことを認める
↓
挑戦を認めてもらえているという安心感を持ってもらう
↓
次の挑戦に向けて二歩目を踏み出す
↓
という流れを作っていくことが大事です。
人の承認欲求が高まっている背景には、認められるより、批判や非難にさらされることが多いという事情があります。特に以前は単純労働的な仕事でもそれなりの給料をもらえたのに、昨今は創造力の発揮を求められたり、柔軟な対応を求められたりするので、簡単には承認されづらい状況があります。
もし、あなたの会社で社員が自分の殻を破らないというお悩みをお持ちであれば、社長が社員を条件なしで認めるを意識することで、社員の行動が変わる可能性があります。
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