ミセルチカラの磨き方
銀座の中心でお蕎麦を食べながら、お客様とのあり方を考える
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週お声かけいただいたランチ会。
場所は銀座四丁目の交差点からもほど近いお蕎麦屋さんでした。
そこで、最初に出されたのが、二種類のお蕎麦。
お蕎麦のテイスティングとして、
1.まず水につけてお蕎麦自体の味を楽しむ
2.次は塩とオリーブオイルをかけて味わう
3.最後におつゆをかけて食べきる
ようご指導を受けました。
蕎麦に塩をつけて食べる人がいるのは知っていましたが、水につけて食べるのは初めての経験。蕎麦の味そのものが勝負になるので、まずい蕎麦では絶対にできない食べ方です。
同席されていた社長さんからも、いろいろと解説していただいたのですが、出てくる料理一品一品に、作り手の気持ちが入り、手間ひまがかかっているのが分かりました。
材料にこだわり、手間ひまをかけると、やはりそれなりの価格にしないとビジネスとしては続けていけません。一方で、マーケティング的にはお客様の声に耳を傾けないと、売上が伸びていきません。
このため、多くの場合、「お客様が購入できる価格設定にする→その価格で採算が取れるように工夫する」ことが行われます。そこではある種の「妥協」が生まれます。
しかし、そのお蕎麦屋さんの社長は「このようなやり方では文化が育たないのでは?」と危惧されているご様子でした。このため、蕎麦の本来の味が分かる人を一人でも増やすために、蕎麦のテイスティングをはじめ、いろいろと工夫を重ねておられるのです。
お客様に自社の商品の価値を分かってもらうためには、かなりの努力と根気が要ります。
まずは、商品そのものが本物であることが最低条件。まがい物は、素人は誤魔化せても、プロが見ればすぐに見抜かれてしまいます。
次にその価値を手を変え、見せ方を変え、伝え続けることが必要です。先のテイスティングで出されたお蕎麦は鹿児島産と栃木産でしたが、それはこの時期にもっとも美味しいものとして選ばれたものでした。それゆえ、季節によって、テイスティング用のお蕎麦の産地も変わるそうです。
自社がいくら「ウチの商品はこんなに素晴らしい」と思っていても、それに共感してくる人がいなければ事業として長く続かず、社会に広がっていきません。
商品が長く愛されて、一つの文化に昇華していくためには、「会社とお客様との共同プロジェクトを、どのような信念を持って、いかにして愚直に続けていくか」にかかっています。
そこでは、擦り寄りすぎてもダメだし、あまりに距離が空きすぎてもダメ。ほどよい緊張感を保ちながら、良いものは良いと認め、間違っていることは諌める、大人の付き合いが必要です。
美味しいお蕎麦をいただきながら、会社や商品とお客様とのあり方について、いろいろと思いを馳せる時間となりました。
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