ミセルチカラの磨き方

2019/11/22

数字として測定しづらい仕事を会社の強みにつなげる

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

数字として測定しづらい仕事を会社の強みにつなげる
仕事の評価をどう実施するか。

経営者が頭を悩ます課題の一つです。


売上高とか契約件数など数字で測れる項目は評価するのも比較的簡単です。事務部門は営業と比べると、やや数値化しにくいですが、それでも、コストの削減額やエラー件数の減少率等で一定の評価を下すことはできます。


しかし、難しいのは定性的な仕事の評価

お客様がどのくらい満足したかは、アンケートを取って回収するだけでは、なかなか分かりません。また、悩んでいる社員の相談にのってあげたり、社内のムードを活気づけたりすることは、会社に与える影響としては大きいものの、その効果を測定しづらいという側面があります。

そして、数字として効果測定しにくいと、やっても認められないし、やらなくても怒られないので、なかなか仕事として続いていかないという状況が生まれます。


けれども、数字として測定しにくい項目こそ、続けていくことで、他社と差別化できるノウハウになります

なぜなら、数値化しにくいがゆえに、

  • 続けていくには会社独自の工夫がいる
  • その強みが他社からは見えにくい

からです。


あるクライアントさんでは、最近、お客様向けにひと手間かけて、あるツールを使うことを始められました。

開始する際には、社内からも「そんなことやって、どのような効果があるのか」「アイデアとしては良いけど、本当に続けられるのか」という疑問の声が上がりました。

けれども、やる目的をハッキリさせた上で、「今まで自社ではやっていなかったことをやる」「お客様にとっては良いことをやる」という点で意見でまとまったので、新たなチャレンジがスタートしたのです。


弊社からお伝えしているのは、「最初は思いつきであれ、なんであれ、経営理念と合致することならまずはやってみましょう」ということです。

実行することで、なにかしらの結果が出ます。そして、その結果は必ずしもすぐに会社の収益改善につながるものではないかもしれません。けれども、その仕事が経営理念に沿ったものである限り、愚直に続けていると、やがて相乗効果となって、「オタクの会社はいつも〇〇だね!」という評価につながります。


ボクシングでも、注目されるのは最後に相手をKOしたパンチです。けれども、そのKOの前には、相手に少しずつダメージを与えているボディーブローがあります。また、もっと遡れば、試合前に行ってきた苦しく、厳しいトレーニングがあります。それらの過程において、どこかで手を抜いていると、渾身のパンチを見舞っても、相手は倒れないかもしれません。


それゆえ、数字として測定しにくい仕事を会社として認める取り組みが大事になってきます。

この場合、最初から人事評価や給与の査定に含める必要はありません。それよりも、その仕事を実践している社員を認める一声がポイントです。「ありがとう」「今日もやってくれたんだ」「ずっと続けているんだね」といった何気ない一言をかけられるかどうかで社員のモチベーションも大きく変わります。


逆に言えば、数字で測れる仕事の評価は基準さえ決めてしまえば、誰でもできます。一方で、数字で測れない仕事の評価は、社員の仕事振りを普段からしっかりと見守る姿勢がないと、絶対にできません

そして、そのような数字で測れない仕事を上司だけでなく、同僚も部下もお互いに評価できるようになれば、それは他社ではマネできない会社の強みになります。

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