ミセルチカラの磨き方
団体旅行に参加して実感した商品企画で外せないポイント
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週はちょっと遅めの夏休みを取って、東北地方へ旅行に行きました。
普段は自分で切符と宿を手配するのですが、今回はちょっと面白そうな企画があったので、JR東日本系列の旅行会社さんが主催した団体旅行に参加しました。
予想していた以上に面白く、地元の方が地域振興にかける熱い想いに触れる機会があったり、添乗員さんの臨機応変でユーモアあふれる対応もあって、かなり満足度は高かったのですが・・・。
実はこのツアー、満席であれば、60名が参加できる内容だったのですが、実際に参加していたのは、我々を含めて20名ちょっと。定員の三分の一ぐらいの参加率です。
参加した方は、少人数だったので、より優遇された感があって、満足度アップにつながりました。
一方で、旅行会社の立場に立ってみれば、「もうちょっと参加者があれば・・・」と考えていたに違いありません。そして、私自身も、「せっかく面白い内容なのに、ちょっともったいないなぁ」と感じた次第です。
その原因として考えられるのは次の四つです。
- 需要の問題
- 商品の構造的問題
- タイミングの問題
- 広告戦略の問題
1.需要の問題
今回参加したのは、リゾート列車で行く日本海縦断の旅。
すごく有名な観光地を回るというものではなく、内容としてはズバリ、私のような乗り鉄向けの企画です。このため、実際に参加された人の中には、いかにも鉄道マニアっぽい人が何人かおられました。
最近は乗り鉄の人口も増えている気がしますが、それでも、旅行者全体からすれば、まだ少数派です。つまり、そもそものターゲットとして、母数が少ないということがあります。
2.商品の構造的問題
今回の旅行、出発地は山形県の米沢で、秋田で一泊して、青森県の八戸まで行くというコース。
普通団体旅行と言うと、東京を出発して、最後は東京に戻ってくるというように出発地と帰着地は同じです。しかし、今回はそれが異なるので、参加する人は、往路と復路の交通を自分で手配する必要がありました。しかも、最初の日は米沢を朝の8時38分に出発するため、東京から参加するには前日までに米沢に行って泊まらなければなりません。
つまり、団体旅行としては、ちょっと異例の行程になっており、旅慣れていない人は参加しづらかったかもしれません。
3.タイミングの問題
旅行は8月28日と29日の平日二日間。
お盆休みも終わった時期であり、地域によっては、子供の夏休みも終わっているタイミングです。このため、行きたいと思っても、日程の関係で参加できなかった人もおられたかと思います。
4.広告戦略の問題
私が今回の旅行の企画を見つけたのはシニア向けの旅行サイトです。
実際参加されていた方もほとんどがシニアの方で、もしかすると、50代半ばの我々が最年少グループだったのではという感じでした。この企画がもう少し若い人がよく見るウェブサイト等に掲載されていたら、もっと参加者が増えていた可能性があります。
今回の旅行、企画されたご本人も添乗員として同行されていたのですが、「自分が乗ってみたいと思うルートでこの旅行を企画しました」とおっしゃっておられました。旅行中も、その好き感はとっても出ていたので、できれば、第二弾、第三弾と続けてほしいと思います。
けれども、その場合、先の四つの原因を踏まえて、見せ方を変える必要があります。
もし、乗り鉄の参加率を増やしたいのであれば、土日の開催にしたり、鉄道ファンがよく見ているサイトや雑誌などに広告を載せる必要があります。
また、もっとシニアの人に参加してほしいのであれば、多少値段が上がったとしても、東京から参加する場合の前後の行程をオプションとして設定したり、夕食付きにしたりした方が団体旅行としてはベターかもしれません。
今回の旅行を通して学んだのは、商品自体が面白くて、売り手にやる気があっても、売上として満足のいく結果が得られないことがあるということです。
やはり、売上を上げ、利益を確保するにはお客様ありきです。
お客様の需要をつかんで、商品を設計し、的確な広告戦略を立てて、タイミングよくリリースする。
言葉にすると、簡単ですが、実際にはなかなかその通りにはいかないのを改めて認識した夏休みとなりました。
★今回の旅行会社の企画担当者にお薦めしたかったセッションは「こちら」です。
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