ミセルチカラの磨き方
売上を10倍にするために経営者と社員のギャップを埋める
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
前々期3億円、前期4億円と売上を順調に伸ばしてこられた若手経営者さん。今期は当面の目標であった売上高5億円も視野に入ってきました。
ご相談に来られた内容は、「今後組織をどのように強化して、横展開していくか」です。
事前に社員とも打合せされたのですが、「なんとかこのまま頑張れば5億円は行けそう」という共通感覚は社内にもあります。
しかし、これが「売上高が10億円になったらどうか」、また、中長期的な目標である「売上高が30億円になったらどうか」といった時に、経営者と社員との間でギャップが生じたのです。
つまり、
- 経営者:売上高30億円になった会社の姿が見えている
- 社員:売上高30億円になった会社の姿は想像できない
という訳です。
IT企業などでは、一気に売上を5倍、10倍にするといっても、社員もなんとなくイメージできるかもしれません。けれども、サービス業など人の働きが重きを占める業種の場合、社員は今の自分がやっている仕事の延長線上で考えるのが普通です。
このため、社員は自分が今の10倍働くのは無理というのは分かっても、売上が10倍に増えたら、どのくらい忙しくなるのか、給料は今よりも増えるのか、休みはちゃんと取れるのかといったことが当人の中で思い浮かばないのです。
会社経営の観点から言えば、仮に社員10人で3億円の売上高を達成している場合、30億円の売上になったら社員が100人になるという訳ではありません。
営業の人数を増やす必要はあっても、経理や人事といった管理部門の人数はある水準までは増やさなくても大丈夫なはずです。また、社員数が増えると、業務効率化の観点からシステムの導入も必要になります。その際、今まで手作業でやっていたことが自動化されるので、一つの仕事にかかる時間と手間が減るという可能性があります。
一方で、社員が増えると、新しく入った人が仕事を覚えるまで、誰かがきちんと教える必要が出てきます。また、経営者1人が直接管理できる人数も限られるので、複数の人がプレイヤーとして活躍するだけでなく、マネージャーとしての責務を果たすことが求められます。
そこで、前述の経営者に我々がアドバイスしたのは、「売上高30億円になった時の会社の姿を社員と摺り合わせする」ということです。
その際、各社員がどこに反応するかは分かりません。
給料が今よりも増えることでモチベーションが上がる人もいれば、部下を持って、指導者的な立場になることに憧れを抱く人もいます。また、お金には関心が薄くても、今よりも仕事が楽になることに興味を示す人もいるかもしれません。
社員一人ひとり価値観が違うので、そこは一律に「給料が今の1.5倍になるから頑張ろう!」と言っても、反応しない社員がいるのは昔に比べて難しいところです。
けれども、社員が「売上高が30億円になったら、自分はこうなるんだ」というイメージができたら、そこから逆算して、今すぐやるべきこと、1年以内にやった方がよいことなども、なんとなく見えてきます。
経営者と社員とでは、見ている視点が違うので、ギャップが生じるのは仕方ないところです。
そこで、大事なのが、経営者が社員とのギャップを埋めるためにどのような手を打つかです。
人は自分でイメージできないことには行動が止まってしまうのが普通です。経営者はそこを自力で乗り越えていきますが、社員にはアシストが必要です。
1ヵ月間で、どこまでギャップが埋まるのか。我々も次の打合せを今から楽しみにしています。
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