ミセルチカラの磨き方
将来に備えて資産価値が下がらないよう工夫を施す
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週義母が入居を検討している介護施設を見学に行ったのですが、その施設は、もともと銀行の独身寮でした。
33年前、私が銀行に入った頃、各銀行とも独身寮や社員寮をたくさん所有していました。しかし、その後バブル崩壊を経てリストラを進めていく中、銀行はその資産の多くを売却。いまでは独身寮等は大幅に減っています。
見学した介護施設も駅から徒歩で10分ほどの閑静な住宅街にあり、バブル絶頂時には、かなりの資産価値があったものと思われます。最終的にいくらで売却したかは分かりませんが、ある程度の金額にはなったのではないでしょうか。
さて、独身寮であれ、自社ビルであれ、作る時はその使用目的に沿ってベストの形で設計し、建築します。
ここで思い出したのが、あるベテラン経営者のお言葉。
その方は某商社で役員を務められていたのですが、その商社では、「本社ビルを建てる時に、最後は売却して他社が使用するようになっても、できるだけ使い勝手が良いように設計して作った」そうです。具体的には、低層階部分がいざという時には、商用施設としてすぐに改造できるような構造になっています。
つまり、最終的に資産価値ができるだけ下がらないように工夫をしたという訳です。
何かを作る時には、ある程度将来を見越して作ります。
家であれば、家族が増えても大丈夫なように間取りを作るとか、年を取って身体が不自由になっても、スムーズに動けるように段差をなくすといった工夫はある程度行われているかと思います。けれども、最終的に売ることになった時に、できるだけ価値を上げるような仕掛けをするといったところまでは、あまり気が回りません。
今は介護施設になっている元独身寮も、銀行が作った際には、「最終的に介護施設になっても、できるだけ使えるように」といった配慮はおそらくなされなかったはずです。
土地の値段はアップダウンがありますが、建物などの固定資産は年数が経つにつれて、だんだん価値が下がっていくのが普通です。
最終的には取り壊して、また、新たに作り直すという選択もありますが、これからは長く使っても、資産価値が下がらない工夫がより求められているのを感じます。
特に経営者は、「いまこの資産を売ったらいくらになるか」というのを常に頭の片隅に入れておく必要があります。そして、そのために、建物設計段階とか、日頃のメンテナンス方法とかで、いろいろとやれることはあるはずです。
先の大手商社では本社ビルを作る際、低層階部分がいざという時には商用施設として、すぐに改造できるような構造にしています。つまり、毎期兆を超える売上を上げている会社ですら、万が一の時に備えているという訳です。
あなたの会社ではどのような工夫をして将来に備えているでしょうか?
★将来に備えて、しっかりと社内体制を整えたい社長は「こちら」をご覧ください。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。