ミセルチカラの磨き方
お金をコミットせず、社員満足度を上げている会社の秘訣
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
今週、離職率1.5%と社員満足度がかなり高いベンチャー企業の社長とお話する機会がありました。
社員重視の姿勢はオフィス環境の整備を筆頭に、いろいろな施策に表れているのですが、何よりも「社長が社員一人ひとりと向き合う」ことを大切にされています。既に100人を超える社員がいますが、今でも必ず全社員との面談を実行されています。
その面談の中では、「いまどのようなことが不満なのか?」という愚痴も聞いて、社員から出る「こうしてほしい」という要請に対しては、
- できることはすぐに実行する
- できないことはできないとはっきり伝える
ことを意識されています。
簡単にできることであれば、社員との面談中に実現するスピーディーさがある一方、「検討しておく」というような曖昧な回答はしないという潔さがありました。
そして、私が印象に残ったのが、「お金は上書きされる」という言葉。
社員からの要望があっても、「じゃぁ給料を50万円にするよ」「これが達成したら、ボーナスは300万円ね」というような、具体的な数字のコミットメントはしないそうです。
その理由が「お金は上書きされる」というもの。
例えば、仮に50万円を提示しても、他社が60万円を提示すれば、せっかく合意した数字も簡単にひっくり返されます。
このため、具体的なお金を提示することで社員のモチベーションを上げるのではなく、
- 将来どのような仕事をやりたいか
- このプロジェクトが上手くいったら次は何を目指すのか
といったような、お金以外の部分で、社長と社員が合意形成を図っています。
ある意味、お金で握る(条件決めて合意する)のは簡単です。
しかし、会社として状況によっては、そのお金をコミットするのが難しいということがあります。また、お金以外の部分については、人によって何を重視しているかという価値観が違うため、それぞれの社員の希望を聞いててコミットするのは、かなりきめ細やかな対応が必要になります。
けれども、この会社では創業以来ずっと、社長による社員全員との面談を地道に繰り返すことで、会社に対する社員の満足度を高いまま維持しているのです。
そして、社員の満足が高いために採用の面でも、人材紹介会社に頼っていません。
社員が会社にふさわしい知人や友人を積極的に紹介・推薦するリファーラル採用が多く、結果的に人材採用コストの削減に成功しています。
お金をかけずに手間ひまをかける。会社によって、どこに手間ひまをかけるかは違います。しかし、ちゃんと手間ひまをかけたところは、中長期的に見れば、利益という形でお金にも反映されます。
あなたの会社では、何に時間と労力をかけているでしょうか?
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