ミセルチカラの磨き方
過去の痛い経験を冷静に受け止めて将来に活かす
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残る」
元外交官で現在作家として活躍されている佐藤優さんの著書「世界観」の中で印象に残ったフレーズです。
やや過激とも言えるこの言葉はイスラエルの国是。
これは独自の国家を持っていなかったために、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人が殺害された経験を踏まえているとのこと。そして、その結果としてイスラエルは、ある面ではアメリカを上回る強力なインテリジェンス(情報)機関を持っている旨解説されていました。
このような覚悟を持った国とつきあう場合は一筋縄ではいかない気がします。
さて、国と企業とでは次元が違いますが、
過去に痛い経験をした
↓
強い覚悟を持つ
↓
情報に対する感度を上げる
という点では会社経営でもたいへん参考になります。
例えば、
過去に業績が低迷している時に銀行から融資を断られた
↓
たとえ銀行から融資を受けられなくても会社が最低でも1年間は大丈夫という財務体質にする
↓
毎日資金繰り表をアップデートして、資金不足になりそうな時は早めに手を打つ
という感じです。
過去の痛い経験をどう活かすかは人によって対応が異なります。
過去の経験がトラウマになって、委縮してしまい、行動できなくなるということがあります。先の銀行融資の件で言えば、何回か銀行融資を断られたことで、銀行との交渉に苦手意識を持ってしまう経営者もおられるかもしれません。
一方で、過去の経験に過剰に反応することで、極端な行動に出てしまう人もいます。一度融資を断られた銀行を出入り禁止にして、「あそことは二度と取引しない」と公言する経営者もおられます。
いずれにせよ、大事なのは、過去の痛い経験を活かしてどのような覚悟を持つかです。
「全世界を敵に回して」ということは、逆に言えば、「必要であればかつての敵とも手を組む」ことを意味します。
つまり、冒頭のフレーズで言えば、何がなんでも「生き残る」というところが肝心要。そのためには、当然のことながら「敵」は少ない方が良いのが基本になります。
だから、銀行との取引で言えば、苦手意識を持ってしまうことも、やたらと敵対心を持ってしまうことも、できれば避けたいところです。
社員に裏切られた経験に囚われすぎてしまうと、いつまでも社長一人が頑張る会社に留まります。
また、下請けとして発注先の無理難題で苦労した場合、仕事のやり方なり、商品の品質なり、支払方法なり、何かを変えていかないと、将来また同じように苦労します。
同じことを続けていても、過去の痛い経験は克服できません。
過去の経験から目を背けるのではなく、過去の経験に過剰に反応するのではなく、まずは冷静に受け止めること。
過去の経験を生かすも殺すも自分次第です。腹が据わると、情報に対する感度は必ず上がってきます。
★覚悟を持つためには、価値判断の基準となる「コアコンセプト」を言葉にすることが役に立ちます。概要は「こちら」です。
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