ミセルチカラの磨き方
追加で依頼された仕事をやるのか断るのか
追加で依頼のあった仕事については、当初の依頼分以上に慎重に見極めることが大切。最初に約束したことをしっかりと守ることで築ける信頼もあります。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
新しい取引先から注文が入り、見積りも出して進めている中、「追加でこれもお願いできますか?」という依頼があったら、あなたならどう対応されるでしょうか?
中には仕事の内容は増えても、金額は据え置きのままというケースがあります。この場合は、先の見積りと整合性が取れないので、追加分についてはお断りする人も多いかと思います。
では、「追加分はプラスして請求してもらっても良い」というケースはどうでしょうか。
この場合は追加される仕事の内容によります。
自社のリソースで問題なく対応でき、金額的にも採算が取れるのであれば、応諾するかと思います。一方で、自社のリソースで対応できるかどうかハッキリしないケースは判断に悩むところです。
社長としては、「我々を信頼して依頼してくれたので、なんとかその信頼に応えたい」と考えるかもしれません。
けれども、その追加の仕事の部分には思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。
- 他社にも依頼したが断られた
- 技術的に難しい課題がある
- 納期が迫っている etc.
発注側としては、プロジェクトを進めていく中、ボトルネックになっている部分をなんとかしたいという要望があります。そこで、新規先であっても、その課題をまとめて解決してくれるなら有り難いという思いがあります。
しかし、受ける側としては、この追加部分についてはより慎重に検討する必要があります。特に相手が初めて取引をする会社の場合、その会社が求める基準や対応の仕方が読みきれません。このため、最初に受注した仕事以上により精査する必要があります。
けれども、既に乗りかかっている船だからということで、あまり内容も精査せずに、追加部分も安易に「分かりました」と受注することがあります。
実は前職の際も、最初に受注した本体機器の納入に加えて、後から依頼のあった接続ケーブルを追加で受注したことで、時間的にも、資金繰り的にも大幅なロスを生じる結果となりました。
また、弊社では、先月末納品の仕事で、追加でご依頼いただいた分については、期限を守るという点では難しいと判断してお断りしました。
やってみなければ分からないということに挑戦する気概は必要です。一方、プロであればいったん受けた仕事は最後までやり切る責務があります。
特に仕事を断るということは、次の仕事につながらない可能性があります。けれども、当初約束したことをしっかりと守ることで築ける信頼もあります。
新規先の場合、相手との間合いが読めない要素も多いので、追加で依頼のあった仕事については、当初分以上に慎重に見極めることが大切。最悪なのは、欲を出してオーバーコミットすることで、本来なら得られたであろう信頼までなくしてしまうことです。
会社に対する期待値は上手にコントロールしましょう。
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