ミセルチカラの磨き方
専門家のアドバイスを疑う感覚を持って果敢に決断する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「諸君はきのうの専門家であるかもしれん。しかし、あすの専門家ではない。」
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の中の一節。二〇三高地の攻略にあたり、乃木将軍に代わって指揮をとった児島総参謀長が居並ぶ幹部たちを一喝した時の言葉です。
幕末の戊辰戦争から日清戦争にかけて活躍した歴代の軍事の専門家たちも大国ロシアを相手に大苦戦を強いられます。時代が変わるにつれて、今までのやり方が通用しなくなっているという点では、現代も日露戦争の頃も同じです。
私を含め、自称、他称を問わず専門家と呼ばれる人は「自分は明日の専門家ではないかもしれない」ということを常に意識しなければなりません。一方で、経営者は「この人は昨日の専門家かもしれない」という視点を忘れてはいけません。
先日お会いした経営者は、自分のビジネスについてコンサルタントに相談したところ、「儲からないからやらない方がいいですよ」というアドバイスを受けたそうです。その結果、その経営者は「やっぱりやめたほうがいいのかなあ」と落ち込んでしまいました。
私がお話を聞いた範囲では「いろいろとハードルはあるけれども、やり方次第なのでは?」という感じを受けました。まあ、だからと言って私が「この方法なら必ずできますよ!」というほど簡単なものではありません。
けれども、経営者は、専門家の言うことに耳を傾ける勇気と専門家の言うことを疑う感覚の両方が必要です。
日露戦争で児玉総参謀長はそれまでの専門家のやり方を無視し、戦い方をゼロベースで見直すことで局面を打開しました。
たくさんの情報がうず巻く中、自社にとってベストの選択肢を選ぶのは非常に難しい状況になっています。
少しでも良い選択を行うためには、専門家のアドバイスは有効なのは事実。けれども、周りが何と言っても、最後に決断するのは経営者本人です。
結局、専門家のアドバイスを疑う感覚は自分の決断に責任を持つ勇気につながります。
★価値判断の基準となる深層価値観を言語化することで、自分の決断に自信が生れます。詳細は「こちら」。
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