ミセルチカラの磨き方
社員が即戦力にならない原因は、会社の実力不足にあり?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
ちょっと前のことですが、風呂から上がってテレビをつけると、「料理の別人」なる番組をやっていました。
以前人気のあった「料理の鉄人」のようなセットの中で、腕を振るっていた(?)のは料理の鉄人ならぬ料理の素人。どう見ても「料理なんか絶対やったことがない」という感じの若い女性タレントです。
そのタレントさんに対し、お笑い芸人で料理が得意な木村祐一さんが目隠しされながら、料理の指示を出すという設定。
どうも「あんかけ焼きそば」を作ろうとしていたらしいのですが、
- どれが芝エビか分からない
- オタマとしゃもじの区別がつかない
という有り様でてんやわんや。
料理の味付けに紹興酒を使いたかったらしく、木村さんが「お茶みたいな色をしたビンがあるやろう」と指示を出すと、その女性が使ったのが紹興酒ならぬウイスキー!
歯磨きしながら見ていたので、最後に試食するところは見逃したのですが、途中経過を見る限り、味は容易に想像できそうな気がします。
さて、会社の経営者や人事担当者がよく使うのが、「ウチは即戦力の人材が欲しい」というフレーズ。もちろん、会社としては、入社当日からバリバリ働いて稼ぐ人材が理想というのよく分かります。
一方で、たとえ即戦力になりうる人材が入社してきても、会社の体制が整っていないために、社員が即戦力にならないケースも少なくありません。特に中小企業の場合、必ずしもOJTの仕組みがきっちりとできていません。
その際、
- どんな資料を使うのかについて認識のギャップがある
- 完成物となるフォーマットや雛型を明示していない
まま、「取りあえず、今日中にレポート作って!」とかなり無謀な指示を出していることもあるのではないでしょうか。
この場合、社員の状況を把握せず、言わば、目隠しをした状態のまま指示しているので、出来上がったものがとんでもないものになっているということも・・・。
料理の話で言えば、
- 食材
- 調理道具
- 料理の作り方
が揃って、初めて美味しい料理ができます。くだんの女性タレントは3つとも知らないために論外です。
しかし、仮に料理のできる人でも、
- どこに食材を保管しているのか
- 道具が揃っていない場合に、どの道具で代用しているか
- 普通のレシピには載っていない独自の味付けはあるのか
が分からないと、短時間では手際よく美味しい料理を作れません。
特に人数が少ない中小企業の場合は、業務フローが属人的になっており、本人以外は仕事の詳細ややり方が分からないというブラックボックスができていることがよくあります。
新しく入った社員の成果がすぐに出ない時、その人のせいにするのは簡単です。しかし、根本的な原因は実は会社側にあったりするのです。
即戦力ばかりに期待するのは、会社に実力がないことの裏返しかもしれません。
なお、タレントさんを見て思わず笑ってしまった私ですが、「あんかけ焼きそば」は作れません(汗)。
★社員が自走する組織作りのためには、「こちら」もご覧ください。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。