ミセルチカラの磨き方
会社を見極める際、数字も大切だが、最後は人
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
“Can I borrow ?”(お金を貸してくれますか?)
海外に駐在していた時、雇っていた運転手さんから毎月最低1回は聞いていたフレーズです。
日本のように電車や地下鉄など交通網が整備されていないため、会社に行くにも、ちょっとした買い物に行くにもクルマは必需品。
一方で、道路事情や交通マナーが悪いため、原則として駐在員は自分で運転するのは禁止。このため、各家庭でも運転手を雇っていたのです。
給料は月2回の現金払い。しかし、宵越しの金は持たない風潮があるのか、給料を渡してから1週間もすると、「お金を貸してくれ!」と言ってきたのです。
他の駐在員の方のアドバイスもあって、私がお金を貸す際に決めていたルールは
- 貸す金額の総額は毎月の給料の範囲内
- 返済は月2回渡す給料から天引きする
という2つ。
彼が貸してくれという金額は日本円にすれば、せいぜい数千円の金額。しかし、なあなあな状態で対応していると、借りる金額がどんどん増える、なかなか返さなくなる人も多いということで、最初にお金を貸す際に、きちんと相手にも先のルールを伝えました。
この結果、日本に帰国するまでの間、金銭的なトラブルになることは一切ありませんでした。
お金を貸す側にとって、一番の心配はなんと言っても、貸したお金はきちんと返してもらえるのかということ。
先の運転手さんの事例では、
- 返済原資である給料を貸す側が握っている
- 天引きによって確実に返済させる
という点で、貸倒れの心配が少ない訳ですが、一般的な会社の借入金の場合は、そうは行きません。
そして、こればかりはいくら立派な事業計画を作っても、すぐに信用されるものではありません。
- 借りたお金はきちんと期日に返済する
- 何か問題が起きた時に、早め早めに 報告し、相談する
- 約束したことはきちんと守る
といったように、日頃の活動の中で、少しずつ信用を勝ち取っていくものです。
この点、返済に関しては、数字も大切だが、最後は人というのが私が実感するところです。
ところで、先の運転手さん。
結局は、給料の一部を前借りする→月2回受取る給料の金額が減る→お金が足りなくなって、また借りる、という循環に陥っていました。
根はまじめで、道路事情にも詳しく運転手としてはまったく問題なかったのですが、お金が手元にあれば、あるだけ使ってしまうという根本のところは最後まで変わりませんでした。
やはり、「人はよく見て・・・」ですね。
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